横浜市消防局の男性消防士長(40)が、病院に救急搬送した女性の自宅を再訪問し、体を触っていたことが分かった。
同消防局によると4月10日午後7時頃、30代の女性から体調不良を訴える119番通報があり、消防士長が同僚と2人で救急隊員として出動した。女性は病院に搬送されたが、翌11日朝までに帰宅した。
同日午前、非番だった消防士長は、私服姿で女性宅を1人で再訪問。家に上がり込んで、数十分間にわたって、「体調はどうですか」と手を握ったり、体をなでたりした。部屋には他に人はおらず、2人きりだった。
不審に思った女性が、消防士長が所属する消防署に相談し、発覚した。
同消防局の聞き取りに対し、消防士長は「(女性に)好意を抱き、体調が気になった。強引に触ったわけじゃない」と事実関係を認め、同消防局は女性に謝罪した。
消防士長は現在、自宅で謹慎中。市は、職務で知った情報を個人的な目的で利用し、個人情報保護に関する条例に違反する疑いもあるとして、処分を検討している。
救急隊員とて人間だ。搬送した女性が好みのタイプで、好意を抱くことだってあるうだろう。しかし、だからといって、救急搬送したからこそ、知り得る個人情報を使って、女性宅を個人的に訪問し、体を触るなど言語道断の行為。こんな非常識な消防士に、市民の安全、命が守れるのか、はなはだ疑問だ。
(蔵元英二)