市交通部によると、着服していたのは両営業所の所長を務めた運輸課副主幹(53)=着服額約600万円、芝生営業所の運輸主任(51)=同1800万円、同営業所の運輸主任(53)=同20万円。
事務処理の見直しを進めるなか、市では今年1月までの2年間で運賃収入約4100万円が使途不明になっていることが判明。運賃収入額と精算機を通して銀行に入金した額の誤差を調べた結果、ほぼ連日、数万円単位で盗まれた形跡があることが確認されたため、5月から調査を進めていた。この結果、3人が着服を認めた。
市は22日付で府警高槻署に盗難として被害届を提出しており、差額の約1700万円については同署に捜査を委ね、他の職員が関与していなかったかも調べる。市は今後、3人を業務上横領容疑などでの告訴も検討する。3人は25日までに計2122万円を返金している。
市営バスの運賃収入は市によると、その日の営業終了後、車載の運賃箱に格納された金庫を営業所に持ち込み、解錠して精算機に現金を移している。精算機の鍵は所長が管理しているが、管理がずさんだったため、主任の2人も、その鍵を使って解錠して盗んだという。
市は25日午後、記者会見し、徳田忠昭・自動車運送事業管理者が「あってはならない悪質な行為。市民の信頼を損ない、申し訳なく思う」と陳謝した。
(蔵元英二)