市交通局によると、職員はメモを見た女性から連絡をもらい、1月下旬頃、ドライブや食事に数回行ったという。その後、女性が職員を怖がるようになったため、2月下旬、女性の兄が「妹が怖がっているので利用するバス路線の担当から外れてほしい」と職員に要請。職員は数日後、該当路線を外れると書かれた、「交通局自動車運行管理課」という市交通局に実在しない部署名を書いた文書を偽造して渡したという。
しかし、それ以降も同じ路線に乗務する職員を見た女性の家族が、3月6日に同営業所に連絡した。女性の兄は、女性に障害があると説明している。
市交通局側が「怖がることをしたのか」と追及したのに対して、職員は「卑猥なことは言ったかもしれないが、体には触れていない」と話しているという。乗務中に乗客と私語を交わすことを禁じた内規に違反することや、許可なく交通局の名前を使った文書を作成したとして、市交通局は職員を解雇した。市交通局の中山弘一次長は「公務員にふさわしくない行動で、指導が足りなかった」と話した。
確かに、乗務中に携帯電話の番号を書いたメモを乗客に渡すのは不謹慎な行為。だが、何らかの処分は当然としても、解雇するほどの事案であろうか。正規職員なら、この程度のことで解雇になっていたかは疑問で、非正規職員との待遇差を感じざるを得ない。
(蔵元英二)