また、佐藤容疑者は同町が狂犬病予防注射などで、町民から徴収した手数料約60万円の着服も認めており、県警では余罪を追及する。
逮捕容疑は6月中旬、同町職員有志約30人で作る野球部の部費積立口座から、約26万円を無断で引き出して着服したとしている。佐藤容疑者は同部の会計責任者だった。
佐藤容疑者は19日朝、岩沼署に「役場のカネを使い込んだ」として自首した。県警によると、カネはパチンコや携帯電話の課金制ゲームに使い、家族が代わりに弁済した。
また、同町によると、佐藤容疑者は4月23日から4日間、獣医師や担当者職員と一緒に町内を回り、狂犬病予防注射手数料と犬の新規登録料を現金で徴収する業務に従事。ところが、預かった手数料を役場に納金しておらず、未納額は約900件分の約60万円に上るという。同町は横領額を確定させて、警察に被害届を出す予定。
佐藤容疑者は「カネを入れたロッカーの鍵をなくした」「台帳整理がまだ」などと言い訳をし、会計課に納めなかった。上司は18日までに全額納金するよう指示しており、どうしようもなくなって自首したものとみられる。
同町の小熊久男副町長は、「町民の信用を失墜させ町民に申し訳ない。管理体制が機能していなかった。管理、監督を含め厳正に対処したい」と陳謝し、佐藤容疑者と上司の処分を検討しているもよう。
(蔵元英二)