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JR西日本駅員の定期券不正が横行 8600万円もの着服も

 JR西日本で駅員が定期券を不正に払い戻すなどの手口で、現金を着服する行為が横行している。

 2月に大阪環状線天満駅の男性駅員(31=2月21日付で懲戒解雇)が約2400万円を着服した不正が判明。山陽線五日市駅の男性駅員(23=2月22日付で懲戒解雇)も約870万円を着服したことを受け、同社は破損した定期券がないまま再発行するなど、約3000件の不審なケースを調査した。

 その結果、JR山陽線明石駅でとんでもない金額の不正が行われていたことが分かった。同社は3月19日、同駅の男性駅員(50)が同様の手口で、約5年8か月間に659件、計約8600万円を着服していたと発表した。

 同社はこの男性駅員を詐欺容疑などで兵庫県警に告訴。不正に協力した同僚駅員が男女7人(22〜27歳)いたが、計7人の男性駅員を21日付で懲戒解雇処分とした。女性駅員1人は発覚前にすでに退職していた。

 同社によると、男性駅員は破損した磁気定期券を無料で交換できる手続きを悪用。06年6月〜今年2月の間に、実際には破損した定期がないのに、架空の名前を使って磁気定期券の再発行手続きをし、それをICOCA(イコカ)定期券に変更した後に、払い戻すなどの方法で現金をせしめていた。

 当初、男性駅員は主に窓口業務に当たっていたため、1人で端末を操作し不正を行っていたが、その後、窓口を担当しない日が増えたため、若手の同僚らに手伝わせるようになったという。

 同駅には駅員が約40人おり、うち約20人が窓口を担当。内規では1日の業務が終わった後、回収した破損定期券と再発行記録の照合作業を行うことになっているが、実際にはこの作業を行っていなかった。

 男性駅員は、不正で得た全額を受け取り、協力した同僚駅員のうち20歳代の6人に40万〜90万円を渡したほか、飲食や旅行にも連れて行っていた。男性駅員は「ギャンブルや旅行に使った」と話し、協力した駅員の1人は「男性駅員に嫌われたくなかった」と説明しているという。

 その他にも、福知山線新三田駅に勤務していた男性駅員(28)が16万円を着服したことも判明し、同じく21日付で懲戒解雇処分とした。

 同社の柴田信常務は「管理体制が不十分だった。再発防止に努めたい」と話しているが、明石駅の男性駅員は実に5年8カ月にわたって不正を続けてきた。金額も8600万円と莫大だ。管理体制が不十分どころか、なぜこれほど長期間不正に気付かなかったのか大いに疑問が残る。同社では管理者にも処分を科す方向だ。
(蔵元英二)

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