当時はまだ旧フルスペック機全盛の時代。初代ギンパラやミルキーバーといった権利モノの名機も数多く残っていたし、マジカルチェイサーなんていうのもあった。この台には次回までの時短機能が付いており、時短中に1000以上ハマった客に激怒されたこともあったっけ。そんな昔話に花を咲かせているとホールに戻りたくなってくる。しかし、以前から私を現場に呼び戻そうと熱心だった彼も最近はトーンダウン。「今は戻らないほうがいい。オレだってボーナスが出るかどうか分からないし…」
バトルスペック全盛で一見すると活気があるように思えるが、それはあくまでも表面上の話。ホール経営は厳しい状況が続いているそうだ。ちなみに最近一番動きが良いのは牙狼と甘デジの北斗のようだ。特に前者はエヴァや慶次なんかよりずっとホールに貢献してくれるらしい。スペック的には甘いが、稼動が良いからクギもある程度は開けられるとのことだ。
そういえばここ最近、牙狼を打っていなかった。明日あたり久しぶりに触ってみるか。
翌日は軽い二日酔いの中、久々に牙狼と対戦。クギの状態は店によってまちまちだが、たしかにちょっと前よりは開いているように見える。しかし相手は牙狼。いくら甘いといってもボーダー程度のクギで妥協するのはあまりにも危険だ。納得できる台と遭遇するまでグッと我慢を重ねた結果、牙狼のイベントを行っていた5件目で、ようやく終日戦えそうな台に遭遇。
実戦開始からちょうど100回転目、リーチ確定の予告が出現した直後に図柄が順々に暗転。最終的に全消灯となりVFX予告が発生。指示された通りボタンを連打すると牙狼のカットインが入って魔界竜のパネルで停止した。期待度は約50%。鉄板系を除くと本機最強リーチということになる。ここで負けるわけにはいかないが、実は個人的に牙狼SPで8連敗しているのでかなり不安。ちなみに期待度を左右するタイトルバックの雷の色は2番目に期待できる黄。9連敗は許されない。頼む、当たってくれ!
すると最後の瞬間に牙狼のカットインが出て見事魔界竜に勝利。揃った絵柄は6。祈りを込めてボタンを叩く…が、昇格はなし。これで魔戒突入か否かは大当たり中のキババトルに託された。が、キバの最強攻撃「大魔獣陣」の前になすすべなく敗北。大当たり確率約1/400、魔戒突入率50%。つまり魔戒大当たりを引ける確率は1/800。数値化するとそのキツさがあらためて露わになる。
次の大当たりもギリギリ確率の範囲内だったものの、またしてもキバに敗北…。前回の対戦から数えると5連続で単発だ。まさに拷問。いくら初当たりが早くても魔戒に入らなければ、絶対に勝機はない。
147回転目、疑似連が3回継続し、そのすべてが金色。しかも次回予告「撃破」からの牙狼SPリーチで雷は最もアツい赤。さすがにこれはハズさなかったが昇格はなく、またもキバとの胃が痛いバトルへ。
キバが先制し危険度中の「邪霊幻身」を繰り出す。モロに喰らう牙狼。ジョグ連打でも復活できず、本日3回目の単発かと思いきや、最終ラウンドでキュイキュイキュイーンと、確定音が鳴り響いたのだ。やっとのことで念願の魔戒チャンス突入!
魔戒中は相変わらず速い。さすがは業界最速を謳うだけはあり、これ以上スピード感のある機種はもう二度と現れないだろう。
テンポ良く連チャンを重ね5連で終了。継続率82%だからちと物足りないが、まあワンセットじゃないだけマシか。
この後、今までの帳尻を合わせてくれるかのように39回転で再び魔戒に突入し都合8連。しかし相手は牙狼。8箱ではまだまだ不安である。
この不安は的中し、終盤で1137回ハマリをくらうも、今日は最初の2回を除いてすべて魔戒に突入、そして1000円25回という良クギのおかげで追加投資をすることもなくキッチリ勝利。ボーダー信者としてはこういう勝ち方が一番気持ち良い。
ちなみに前述の副店長によれば100〜200回転の引き戻しがやたら多いとのことで(ホールデータより)実際にそれで小遣い稼ぎをしているらしい。台選びに迷ったらとりあえずこのゾーンを打ってみるか…。オカルトも信じれば何とかなるかも? プラス3万5000円ナリ。
<プロフィール>
白覆面T 競馬雑誌の編集者を経てギャンブルライターへ。現在はさまざまなパチンコ&パチスロ攻略誌で活躍している。鋭い洞察力によって書かれる記事の数々は業界内でも定評アリ。ただし、なぜかいくつものペンネームを使い分け行動しているため、正体を知るものはごくわずか。熱しやすい性格で湯水のごとく金を突っ込む姿が何度も目撃されている正真正銘のギャンブル狂だ。