世界中から神経科医が集まる大イベントでスピーチを行うことになったデービッド。ところが開始1時間前に突然、隠し子の存在が発覚。バレたら一大事だけに、同僚の独身で出世も見込めないヒューバートを急いで父親に仕立て上げる…というストーリー。加藤はデービッド役に加え、今回は演出も手がけている
「ライトコメディーなので演出はテーマ性より笑いを重視しています。こんなに笑えるものか!? というエネルギーで感動を呼びたいですね。でも、2時間も笑い続けるのは無理ですから、後半に爆笑を取るようペース配分しています」
今回は約15年ぶりの再演だが、前回とは演出も役者もすべて違う。
「当時の顔ぶれで今回も上演したら、役者たちの年齢が上がってしまう。もっと若い人を配して年齢を下げています。でも、内容まで新しくする必要はないので、古いままで勝負しています」
前回は同僚のヒューバートを加藤が、デービッドは角野卓造が演じていた。今回はヒューバートを村田雄浩が演じている。
「デービッドとヒューバートは全然キャラクターが違うので、ヒューバートには僕と見た目も演技も違うタイプの役者さんを配したかった。その点、村田さんは見るからに大男で顔立ちも優しいし、包容力もありそう。コソコソした感じのデービットとは対照的なので、打ってつけでした」
総勢12人のキャストが舞台狭しと暴れまわる。
「けいこに入ったのは1カ月半前から。共演者にまったく知らない人はいないので、やりやすかったですよ。シリアスな内容の脚本だと役者同士で意見が食い違って衝突することがよくあるんですが、それがコメディーにはない。それより役者同士で息を合わせ、タイミングをピッタリ合わせることのほうが重要。セリフは早口だし、舞台を早足で駆け回ってますから、もうコンマ何秒の世界ですね」
5月まで放送されていたNHK土曜ドラマ「遥かなる絆」では、シリアスな役を演じていた。
「このドラマを見て今回いらしたお客さんに“こんなフザケた人だったなんて!”と思われないか不安で(笑)。人をだますのが役者ですから、ズルいだなんて怒らないで下さい(笑)」
公演は14日まで。