離島が多い沖縄では、バスは重要な移動手段です。離島はどうしても、交通の便が悪いイメージがあります。観光客が多い島でいうと、宮古島は空港とリゾート地を結ぶ路線すらほぼありません。久米島は空港からリゾート地を結ぶバスが、生活路線を兼ねているため、かなり混雑します。
そんななかで、石垣島のバスは観光客にとって、非常に便利です。石垣島で路線バスを一社独占で運行している東運輸では、観光客用路線と生活路線を分けていますので、とても使い勝手がいいのです。
ここでは、主に観光客用の路線を取り上げます。これは空港線、川平リゾート線があり、米原キャンプ場線もどちらかというと観光客用といっていいでしょう。
まず、空港線ですが、石垣空港と市街地にあるバスターミナルを結んでいますが、ANAインターコンチネンタル石垣リゾート(以下、ANAホテル)経由とホテル日航八重山(以下、ホテル日航)経由があります。空港からバスターミナルまでの所要時間はANAホテル経由が20分、ホテル日航経由が15分で、おおむね40分毎に運行しています。運賃は一律200円。空港から市街地へ行く際には、便利な路線です。ただ、JTA、ANAともに、那覇からの最終便の飛行機到着時には終バスが終わっており、接続できませんので、ご注意ください。
次に川平リゾート線ですが、世界的に有名な観光地である川平湾や多くのリゾートホテルに行くには、この路線の利用となります。ルートが往復で多少違っており、下りはバスターミナル発ホテル・シーマンズクラブ着で所要70分。上りはクラブメッドカビラ発でバスターミナルまで所要65分。料金は距離変動制ですが、バスターミナル〜川平以降は一律700円です。
同路線は川平方面に向かうすべてのリゾートホテルに止まります。観光スポットでは川平の他、唐人墓、やいま村(旧八重山民俗園)、染織体験や見学ができるみね屋工房にも止まります。川平方面は市街地からかなり距離があるため、タクシーだと高額になりますので、この路線は貴重です。しかし、1日に6便(夏期は増便の可能性あり)しかないので、あらかじめ時刻を調べておきましょう。
空港から川平方面に行くには、基本的にはバスターミナルで乗り換えることになりますが、ANAホテル、ホテル日航、ベストイン石垣に宿泊している場合は、直接、川平や米原海岸まで行ける路線があります。それが、米原キャンプ場線。この路線はバスターミナルを起点にANAホテル、ホテル日航、おもと、米原を経由して川平まで運行しています。川平までの所要時間はANAホテルからは約70分(運賃1000円)、ホテル日航からは約55分(運賃940円)。1日4便しかないため、注意が必要です。
その他の路線はおもに地元の方が使う路線となりますが、なかでも白保線は使い勝手がいいです。白保海岸はシュノーケリングなどもできますので、隠れたマリンスポット。バスターミナルからはほぼ30分毎にバスが出ており、白保までの所要は30分、運賃は400円。経路途中、街中を走りますので、路線上に行きたい所がある場合もオススメです。
生活路線のなかで、東回り一周線、平野線、平野経由伊原間線、西回り一周線、西回り伊原間線の5路線で、白保、伊原間、平野、大嵩西入口の4起点を結ぶ区間は、フリー乗降制で、停留所以外でも自由に乗り降りできるようになっています。
お得なチケットもありますよ。まず、旅行者に最適なのが「フリーパス」。これは、空港線と川平リゾート線のみ利用でき、料金は1000円で5日間有効です。バスターミナルと川平方面を往復するだけで1400円かかりますので、それだけでもかなりお得になります。
次に全路線5日間有効の「みちくさフリーパス」があり、料金は2000円。これは、空港線、川平リゾート線以外の路線でも、長距離乗る場合にお得です。
そして、どちらかといえば、長期滞在者向けというべきなのが、「無記名乗車券(シート券)」。これは、全路線使え、料金1000円で1100円分の金券が使えます。これは短中距離で、生活路線で複数回使う場合に便利でしょう。
そんな感じで、東運輸のバスは旅行者にやさしい路線設定であるため、レンタカーを使わないで動く場合は重宝できます。
また、東運輸では定期観光バスも運行、タクシーも営業していますので、機会があったら、利用してみてください。
(旅人:ミカエル・コバタ)
※東運輸公式HP http://www.cosmos.ne.jp/~bus/