今回は沖縄が誇る航空会社であるJTA(日本トランスオーシャン航空)を紹介したいと思います。九州からも遠く離れ、離島が多い沖縄県ではウチナーンチュにとっても、ナイチャーにとっても、飛行機はなくてはならない重要な移動手段です。沖縄県の航空会社にはJTAと、その子会社であるRAC(琉球エアーコミューター)の2社がありますが、今回はJTAを取り上げます。JTAの年間の乗客数は225万6000人(10年度実績)、ピーク時の8月には26万5119人(11年実績)の旅客を運んでいます。
JTAはまだ本土復帰前の67年6月に南西航空として発足しました。当初は県内のみの就航でしたが、78年8月に初の県外路線となる那覇〜与論(鹿児島との県境の島)線が運航開始となりました。初の本土路線(四国ですが…)となったのが、86年11月の那覇〜松山線でした。88年3月には那覇〜岡山線ができ、時代が平成に変わった89年7月には、那覇空港以外では初の県外路線である宮古〜羽田線ができました。東京・羽田と離島の宮古との直行便就航は画期的で、沖縄離島ブームに火をつけました。ちなみに、筆者は翌90年5月に宮古に行きましたが、それが初めての沖縄旅でした。
その後、本土路線は増えていきましたが、92年11月には前年に子会社となったRACに大方の離島便が移管されました。93年7月には南西航空からJTAに社名変更。同月には石垣空港にとっては初の本土直行便となる待望の石垣〜羽田線が就航しました。94年9月には石垣〜大阪(関西国際)線、97年7月には久米島〜羽田線(夏期のみ運航)、99年7月には那覇〜大阪線など、本土便も増えていきました。
現在飛んでいるおもな本土路線(那覇経由便含む)は、那覇発着が羽田(那覇発のみ)、名古屋(中部国際)、大阪(石垣発の那覇経由便のみ)、福岡、小松、岡山。石垣発着が羽田、大阪、名古屋(3月23日で運休)、福岡。宮古発着が羽田、大阪、名古屋、福岡。久米島発着が羽田(夏期のみ運航)、名古屋(名古屋発のみ)です。離島便は那覇〜石垣、宮古、久米島、石垣〜与那国が飛んでいます。また、経由地で機体を他社に換えて運航する路線では那覇〜札幌(千歳)、仙台、松山、高知などがあります。昨今、JAL本体が合理化されるなかで、石垣〜名古屋のように廃止となる路線があるのが残念なところです。
今のオススメは那覇〜宮古線です。これはスカイマークが同路線に参入した影響で、運賃が非常に安くなりました。搭乗日の45日前までの予約でお得な「スーパー先得」だとナント2900円(以下、運賃は変動する可能性あり)、「先得」(搭乗日の28日前までの予約)が3000円、「特便割引1」(搭乗日の前日、2日前までの予約)でも5200円です。早めに予約すれば、往復でも5800円と大変お得です! 宮古に行ったことがない方は、この機会に足を運んでみてはいかがでしょうか?
JTAの魅力はなんといっても、スタッフや客室乗務員の方々の沖縄らしいアットホームな対応ですね。JTAに乗ると、やはり「沖縄に来たな〜」という実感が沸きます。離島便があるのも助かりますね。JALやANAもいいですが、皆さんも沖縄旅ではぜひJTAを利用してみてください。
(旅人:ミカエル・コバタ)
※文中の現在の運航路線はJAL時刻表に準拠しています。