韓国のキム・へヨン(16)と対戦したしずちゃんは、開始早々スタンディングダウンを取られ、さらに相手のパンチをもらったしずちゃんのヒザが折れたところで、2度目のダウンが取られ、レフェリーが試合を止めた。わずか1回1分38秒、RSC(レフェリー・ストップ・コンテスト)で惨敗を喫した。
国内では重量級のミドル級は選手層が薄く、試合経験は2月の「全日本選手権」での1試合だけ。国際試合もこれが2戦目で、実戦経験不足が露呈した形となった。
敗れたしずちゃんは「絶対に負けないと思っていたんですが…」と悔し涙にくれ、言葉にならなかった。
しずちゃんが五輪出場を果たすためには、5月の「世界選手権」(中国・秦皇島)でベスト8に入らなければならない。ベスト8に残れなくても、各国・地域に振り分けられる大陸枠に選ばれれば、五輪に出ることは可能。現状、この大陸枠の選考基準が明確になっていないが、「アジア選手権」での成績も対象になるだろう。そうなると、1回戦で敗退したしずちゃんが、この枠に選ばれる可能性は低い。
当然のことながら、「アジア選手権」より「世界選手権」がレベルは上。アジアで通用しなかったしずちゃんが、世界でベスト8に入るのは至難のワザで、五輪出場へ赤信号が灯った。
ただ、希望はある。ボクシング経験が浅いしずちゃんには、まだまだ伸び代がある。「世界選手権」までの2カ月弱での猛練習でレベルアップを図ることは可能。ぜひとも、世界の舞台で奇跡の五輪切符を勝ち取ってほしいものだ。
(落合一郎)