今年は沖縄の春季キャンプでは一軍メンバーに抜擢され、以来今まで一軍に帯同。横浜に戻ってのオープン戦でも好調をキープしている。5日のオリックス戦に守備から途中出場すると、8回の打席でライト前にヒットを放ったのを皮切りに、7日にはスタメンでオリックスのエース格・山岡泰輔から2安打と、チーム唯一のマルチヒットをマーク。10日の日本ハム戦では守備から試合に入り、7回にセンター前ヒットで打点を挙げると、9回には一塁線を鋭く抜くツーベースヒットと、長打も記録した。これでトータル6打数5安打と、まるでバットが打ち出の小槌のような状態で、打率はなんと.833と驚異の数字を残している。
高卒ルーキーだった2014年には終盤戦ながら初スタメン初ヒット、翌年の開幕ジャイアンツ戦では当時抑えの切り札だった澤村拓一から、東京ドームのライトスタンドへ突き刺す初ホームランをブチ込むなど、新生ベイスターズの象徴となるような期待を背負っていたプロスペクトプレーヤーだったが、ホームランは今までこの1本のみ。ファームでは2018年.308、19年.329、20年.301と毎年高打率を残し、「ファームではやることがない」状況ながら、一軍では2016年の70試合出場から年々試合数は減少。昨年もキャンプ序盤にチャンスを得たものの、結局昨年シーズン中はプロ入り初となる一度も昇格なしとなってしまった。
しかし、現在ベイスターズの外野は、外国人選手の入国のメドが立っていないことも関係し、レフトの佐野恵太以外は未定。三浦監督も「レギュラーを固定するのが理想」としながらも、「調子のいい選手を使っていく」との方針で、オープン戦でも神里和毅、細川成也、桑原将志、乙坂智、楠本泰史らをテスト起用している。ラミレス政権下では日の目を見なかった関根大気が、今年こそ群雄割拠の外野バトルに割って入る。
取材・文 ・ 写真/ 萩原孝弘