一般的には、キャンプ場で「男」を見せるシーンといえばテント設営と火起こしの2つです。テキパキとテントを組み立てたり、懸命に火を起こす姿に女性は異性を意識するのです。軟派系ならば、メロウなラヴソングでギターをかき鳴らすのも“有り”です。
ところが、硬派男性がこうした行動をとると、さわやかすぎてイメージが合わない。では何をすべきか? ずばり、野菜の皮むきです。
イモやニンジンのたっぷり入ったザルを小脇に抱えたら水場に直行。素手でゴシゴシ洗います。手を休めることなく皮むきに着手します。このあたりで女性陣から「あっ、私やりますよ」と声をかけられるはずです。断ったりせず、「一緒にやりましょうか」と少し微笑んでください。
残念ながら、こうした地味な下準備班は報われないもの。テント設営や火起こし、ヤキソバ焼きなどに主役を奪われ、光が当たらないのです。ヘタをすると仲間の男性から「働かざる者食うべからず、なんちゃって」などと言われることさえありますから頭にきます。
決して反論せずに「厳しいねえ」などと笑いましょう。少し離れた川べりの岩に腰掛けヤキソバを食べている最中、一緒に皮むきをした女性の声が聞こえてきます。「イモやニンジンを全部洗って切ってくれのは、健さんなんだからねッ」
暗闇にシブい光が放たれました。心の中で高らかにVサインを掲げましょう。