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ハナショウブが古都に咲く=鎌倉市

 梅雨前線の影響で、各地で雨が続いている。じめじめとした過ごしにくい気候になっているが、この時季ならではの楽しみにハナショウブがある。

 神奈川県鎌倉市にある長谷寺は、奈良時代開創という古刹。本尊の十一面観音立像は「長谷大観音」として信仰を集め、伝承によると、長谷寺の観音像は、1本のクスノキから刻出された2体のうちのひとつで、もう1体が、奈良県の長谷寺にある観音像といわれている。

 鎌倉は、三方を山に囲まれ、正面に相模湾を臨む。長谷寺は、その鎌倉を眺望する山の斜面にある。2500株のアジサイが色づく眺望散策路があり、境内にある展望所からは、海を越えて三浦半島を見渡すことができる。

 長谷寺では、6月中旬から、ハナショウブが見ごろを迎えた。山門をくぐった場所にある池では、水面に揺れる白や紫色の花びらが、訪れた人々の目を楽しませている。

 また、池を過ぎて階段をあがった脇にあるイチョウは推定樹齢300年以上という。がけの上で旺盛な樹勢を見せている。池のほとりの槇(まき)の木は、イチョウよりも推定樹齢が長いともいわれている。観音堂と隣接した長谷寺宝物館には、観音菩薩の変化した姿といわれる「三十三応現身(おうげんしん)立像」がある。相模の戦国大名・北条氏康から長谷寺に出された印判状もあり、仏像愛好者や戦国大名ファンにもお勧めできる。

 長谷寺の近くには、鎌倉大仏で有名な高徳院がある。長谷寺と大仏像を訪れたあと、観光名所にもなっている小町通りを使って鎌倉の中心・鶴岡八幡宮へ向かう散策コースは、この時季、特に人気が高い。

 古来より、日本は雨の国といわれている。梅雨、五月雨、霖雨(りんう)など、雨に関する言葉は無数にある。そして、それぞれの地域や場所に、花の名所がある。梅雨のこの時季、ハナショウブやアジサイを探して、散策してみてはいかがだろうか。(竹内みちまろ)

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