バックステージで中邑がインタビューを受けていると、そこに突如先週対戦したエイデン・イングリッシュとルセフが現れた。
「お前何したかわかってるのか?喉へのヒザ攻撃でもうイングリッシュがルセフデイを歌えないかもしれない」
と中邑の攻撃で声が出なくなったイングリッシュの代わりに、ルセフが息巻いた。さらに、ルセフが「ファストレーンで俺と対戦しろ。お前をイングリッシュのようにしてやる」と対戦要求すると、中邑はこれを承諾。「ファストレーンは“ナカムラデイ〜”になるだろう」と中邑は“ルセフデイ”をもじってイングリッシュのような美声を披露し、ルセフを挑発した。『レッスルマニア』でのタイトル挑戦が決まっているとはいえ、ルセフに負けることは許されない。中邑はしっかりとした形で白星をあげたいところだ。
次回PPV『ファストレーン』で6選手が参加するシックスパック・チャレンジ王座防衛戦を闘う、WWE王者AJスタイルズがリングに登場すると、「俺はレッスルマニアのメイン戦でベストな相手、中邑真輔と対戦したい」と王者であるAJ自身も、2016年1月4日に新日本プロレスの東京ドーム大会で対戦しファンを熱狂させた中邑とのシングル戦を熱望した。
その後、ドルフ・ジグラーと対戦したAJだったが、試合途中に突然ケビン・オーエンズ&サミ・ゼインが乱入。試合がノーコンテストになると、コミッショナーのシェイン・マクマホン(ビンス・マクマホン代表の息子)が現れて、『ファストレーン』の前哨戦としてバロン・コービンも入れたフェイタル5ウェイ戦をその場で行うと決定した。
しかし、この試合で“ベストフレンド”オーエンズ&ゼインの関係に波乱が起きる。試合前のバックステージではオーエンズを王者にするため、ゼインは自ら犠牲になりオーエンズのフォールを受けると言っていたが、なんと、試合終盤にゼインがオーエンズの隙を突いてへルヴァキックを叩き込んでしまう。ゼインはこの裏切り攻撃でオーエンズからカウントを奪って勝利すると、「俺がWWEでベストだ。俺はもっとも過小評価されている」と不満をぶつけて会場を後にした。
中邑との2年ぶりのシングルマッチを、プロレス界世界最高の舞台『レッスルマニア』で、WWE王座を賭けて闘いたいAJにとって、『ファストレーン』で行われる過酷な防衛戦は、最後の壁と言ってもいいだろう。内容よりも結果が問われる試合になりそうだ。
また、WWEの軽量級ブランド205 Liveでは、日本人スーパースター、ヒデオ・イタミと戸澤陽がタッグを組んで、ネメス・アレクサンダー&スコット・ジェームス組と対戦した。
ドレイク・マーベリックGMは「2人は205 Liveでベストなスーパースターだ。ヒデオは世界のレジェンドで、戸澤は前クルーザー王者」とこのタッグチームを絶賛。2人は格下の対戦相手を終始圧倒し、ヒデオがダイビングクローズライン、さらに、2人で連携した串刺しドロップキックをジェームスに炸裂させると、最後は戸澤がトップロープからダイビングセントーンを決めて3カウント。ヒデオ&戸澤がタッグを勝利で飾り、GMの目に狂いがないことを証明した。
マーベリックGMのプッシュに2人が応え続けていけば、チャンスが巡って来るのは間違いないだけに、クルーザー級のタッグ戦線にオリエンタル旋風を巻き起こしてもらいたい。
文・どら増田
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