「借りぐらしのアリエッティ」の時同様、例によってまた知り合いの子どもたちの子守で映画館にやってきた記者。アリエッティの時は様々なジブリの手口に完全に乗せられたのであるが(詳しくは過去記事をどうぞ。)、今度はそうはいくまいと最初っから冷めた態度で『ヒックとドラゴン』を見る。どうせ子ども映画でしょ。
遠い遠い昔、はるか海の彼方のバーク島では、バイキングとドラゴンが長年にわたる戦いを繰り広げていた。ある時、島一番の弱虫のバイキングの少年ヒックは、傷ついて飛べなくなったドラゴンのトゥースと出会い友情を交わす。トゥースとの出会いで知恵を働かせ天敵であるはずのドラゴンを傷つけずに手なずける方法を習得したヒックは、しだいにライバルの女の子アスティや島民も認める勇敢なバイキングとされていくが…。
ドラゴンを手なずけるあたりが何とも言えないが、21世紀になっても戦争ばっかりやってるアメリカ人が作ったとは思えない、すばらしい反戦のメッセージが伝わる映画。「○○島からの手紙」に出ていた○○クン似のヒックがトゥースに乗って縦横無尽に飛び回るシーンは3Dじゃなくても目が回りそう、迫力満点だった。そして、ゴジラ等、日本のお家芸だと思っていた怪獣的なドラゴンのキャラクターデザインも抜群。夏らしい海が気持ちいいし、ちょっと日本の漫画「ワンピース」に似たバイキングのキャラクターも今となっては親しみやすい。子どもでなくても十分、いいや大人にこそ見て欲しい作品ですごく楽しめた。
平和への願いが込められた深〜いイイ話は、本日記者のツレであるお子さまたちにはちょっと難しいかと思ったので、彼らに感想を聞いてみると、「思ったより深かったね。知らないオバサン、連れてきてくれてありがとう、楽しかったよ」と、思わぬ感謝の言葉が返ってきた。さすがお受験が控えているだけあってお利口な子たちなので、記者以上に映画を理解していたみたいだけど、「知らないオバサン」って…。もう、夏休みも終わりなんだから、ヒックとドラゴンみたいに仲良くしてくれ〜。
夏休み大本命映画『ヒックとドラゴン』は絶賛公開中。(コダイユキエ)