DIR EN GREYは、1997年の結成当時から、音楽的、視覚的に変化を重ねながら、ジャンルや国境を越えて共鳴を集め、カテゴライズ不能かつ不要なロック・バンドとして欧米を含め支持層を確立しているという。
RPGとは、架空の設定のもとプレイヤーが各自に割り当てられたキャラクターを操りながら、目的の達成を目指すテーブルゲームとして発展した。『Wizardry』は、30年ほど前、そのRPGをもとに、コンピューターゲームとして開発された。『Wizardry Online』は、コンピュータネットワークらを利用した多人数同時参加型ゲーム。
イベントでは、『Wizardry Online』の岩原総合プロデューサーから、概要や、開発コンセプトらが紹介された。同ゲームでは、プレイヤーは、中世ヨーロッパ風の世界を基調として作られたダンジョン(=迷宮)に、戦士などとして進入する。ダンジョンに実際に住み暮らしているモンスターと戦うことになるが、「ぬるいゲームではない」(岩原プロデューサー)。モンスターからの一撃で受けるダメージは大きく、プレイヤーたちは、攻撃をする者、失った生命力を快復させる者などそれぞれの役割を果たしながら協力して戦い、それでも、岩原プロデューサーによると「逃げ回ってでも生き残るゲーム」。過酷な世界をつくりあげることにより、プレイヤーの心に喜怒哀楽を生み出すことが開発コンセプトの中にあるという。
また、紹介されたプロモーション映像には、DIR EN GREYの楽曲が使用されているが、今回のコラボが実現するに至った経緯が明かされた。岩原プロデューサーは、DIR EN GREYの楽曲を初めて聞いた時に曲と歌詞の内容に心を打たれ、DIR EN GREYを知るにつれ、開発中の『Wizardry Online』と生死観などで共通するところがあるのではないかと感じ、コラボを持ちかけたという。また、トークには、DIR EN GREYをよく知るVJ(ビデオジョッキー)のBoo(ブー)氏も参加した。Boo氏自身はDIR EN GREYの楽曲らに痛みや恐怖などを感じたことはなかったが、今回のコラボが「はまった感じで、そういう表現もあるのだなと自分に逆に気づいた」という。
トークでは、DIR EN GREYの5人(Toshiya、薫、京、Shinya、Die)が登壇し、楽曲を用いたコラボにとどまらず、5人がデザインした剣や盾などのゲームに登場するコラボアイテムを作る企画や、メンバーがゲームの中に登場しプレイヤーに謎解きのヒントや指令を与えるという案などが飛び出した。メンバー5人の迷宮を作ってみたらという案が浮かぶと、「そこでしか手に入らないアイテムとかがあるとおもしろいですね。それが5つあって、そろえて、楽しんで」(Toshiya)、「ダンジョンの中に歌詞とか、関係ある言葉が書いてあるとか」(薫)、「装備品なし」(京)と、メンバーの個性も垣間見える座談会であった。
『Wizardry Online』は、ユーザーが開発途中のゲームを実際にプレイするオープンベータテストを、この夏実施予定。一方、DIR EN GREYは、8月3日(水)に待望のニュー・アルバム『DUM SPIRO SPERO』をリリース、そして11月下旬より中南米ツアー『TOUR2011 AGE QUOD AGIS』をスターとさせる予定だ。(竹内みちまろ)