『花の駐在さん』は明石家さんま主演によるコメディ番組で、2月23日に復活公演が行われた。事前に何度も通し稽古を行い、完璧なコンディションで挑もうとした矢先、さんまの師匠である落語家の笑福亭松之助さんの訃報が入った。
岡村は当日、楽屋入りした時には訃報は知らされていなかった。だが途中で、マネージャーから松之助さんの訃報を伝えられ、「会社としては舞台終わりで発表する予定だったが、他媒体に出てしまった」と知らされた。
そのあと、さんまが楽屋入りし、「僕らからは何も言わなかったんですが、まあいろいろあるからな」と話して、訃報は知っていたようだ。さんまはすでに数か月前から松之助さんの体調が悪いことは知っており、覚悟はしていたのだろう。
そこで、すでに通し稽古で台本も決まっている舞台中で、師匠の訃報に触れるかが話し合われた。舞台の展開として終盤部に、さんま扮する駐在が死にかける場面があり、「師匠のそばに行きます」といったセリフを追加することも考えられたようだ。最初は「オープニングとかで言わん方がええかな。最後の方がきれいやな」といった話であったが、最終的にはさんまのオープニング語りでさらりと触れられた。この語りは5分くらいの予定が20分に伸びてしまい、舞台もアドリブのオンパレードで3時間15分におよんだ。この舞台はのちのテレビ放送も予定されているが、尺は90分のため半分も入らない。岡村はさんまを目の当たりにし、「ほんまにお笑い怪獣、バケモンやなと。ほんまにええ勉強させていただきました」と振り返った。
これには、ネット上で「直前で師匠の訃報ネタを入れるってすごいな」「ベテランの岡村でもさんまにはビビるのか」といった声が聞かれた。舞台終わりの打ち上げには、さんまは参加せず師匠のもとへ向かったという。舞台でネタにしても、その点はしっかりと弟子としての筋を通したといえそうだ。