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お笑い芸人 豪快伝説 其の四十一『千鳥』

 お笑い芸人。コメディアン。エンターテイナー。そんな彼たちがかつて刻んだ偉大なる伝説、爆笑列伝を紹介していく連載の41回目。フォーティーワンバウトは、千鳥だ。

 「岡山の漫才番長」。これが、千鳥に名づけられたキャッチコピーだ。大悟、ノブともに岡山県出身。既婚者で子持ちというところまで、共通している。

 大悟はスーパースターだ。といっても、故郷の岡山・北木島での話。漫才のネタになり、人気番組『ピカルの定理』(フジテレビ英列)ではみずからの出演コントにまでなっているこの、北木島という土地。広大な面積にふさわしくない人口の少なさがあるため、島全体がアットホームだ。

 大悟が帰郷した際には、フェリー乗り場に島民が集まり、日の丸の小旗を振って出迎える。さらに、実家には「山本大悟 生誕の地」という立て看板がある。家族の自家製だ。関西のローカル番組が取材に訪れた際、歩く人々全員が、大悟とのエピソードがあった。島民は家族。そんな土地である。

 いっぽう、細い目のノブは、その温厚そうな風貌から、初めて出演した『アメトーーク!』(テレビ朝日系列)で、「ホトケくん」というあだ名をつけられた。妻は、高校時代から交際していた同級生。一途である。大悟の口調も容貌もヤンキーチックなだけに、相反するノブは必然的に、いい人キャラが定着。否定する要素は見当たらない。

 うまくて、おもしろい。そう言われ続けながらも、同期の笑い飯に大きく差をつけられていたのが、漫才。しかし、今年の『THE MANZAI 2012』では、堂々のトップ通過でファイナリストに進出。『M-1グランプリ』の歴代チャンピオンを差し置いての頂点は、爽快に違いない。決戦はいよいよ、16日(日)。都知事選の開票に負けないほどアツい、漫才冬の陣。見せるか、岡山漫才。取れるか、大爆笑。必見だ。(伊藤由華)

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