秋山竜次、山本博、馬場裕之の3人からなるロバート。これほど、コンビ内格差が激しいトリオは、珍しい。それでも、友情にヒビが入らないのは、そろいもそろって、根暗な幼年期を送ったことが大きい。
3人は、『アメトーーク!』(テレビ朝日系列)の名企画“中学の時イケてない芸人”に出演。ようは、学生時代、口数と友だちが少なく、モテなかった。つけられたあだ名は、秋山が「ショルダー」、馬場が「インディカ米」、山本が「与謝蕪村」。明るさと無縁の学生だった。
そんな3人でも、芸人を12年も続けていれば、いいことがある。昨年、『キングオブコント2011』で悲願の初優勝。かねてから高い評価を受けていた演技力、構成力に優勝というオチをつけて、世間を納得させた。天にも上る思いだった。
しかし、今年、リバウンドが起こった。およそ11年続いたフジテレビ系列の『はねるのトびら』が、番組改編にともない終了。最終回は、視聴率6.7%というまさかの数字を叩きだし、レギュラー番組がゼロになった。
そんな状況のなか、ドラマ経験もある“技巧派”秋山が再び、ブレイクの予感。既出の顔、声、アゴに続く進化版として、“身体ものまね”を発案して、ウケているのだ。肉付きのいい上半身に、タレントの似顔絵、そのアイテムを手にするだけの簡素なものまね。だが、今、COWCOWの「あたりまえ体操」に続く逸品と、期待を寄せられている。
ちなみに、秋山は09年、『はねトび』の放送中に、唯一の交際相手である女性と結婚していたことをカミングアウト。“熟女芸人”なるワードを広げた貢献者だけに、生涯の伴侶は年下の一般人というオチは、どうも笑えなかった。(伊藤由華)