監督の上田慎一郎は、中学生の頃から自主映画を製作し、高校卒業後も独学で映画を学んでいた人物。現在まで13本の映画を監督しており、国内外の映画祭で20のグランプリを含む46冠を獲得している。同作が久々の長編作となったのだが、知名度はほぼゼロに等しかった。しかし、これまでの実績を鑑みれば、遅かれ早かれ注目される人物だったことがうかがえる。
「上田監督は東京で行われた拡大公開御礼舞台挨拶で、満員の客席と割れんばかりの拍手をもらい、涙ぐんでコメントしていましたね。彼は“どこかで映画の力を信じていた”と言っていましたが、まさに“映画”が世の中を動かした。今年の映画賞を総なめするかもしれません」(映画ライター)
そんな彼の父親・上田貞行さんのFacebookの投稿が話題を呼んでいる。10年前、なかなか日の目を見ない息子に対し、美容師である父親はブログで「無職だろうが、住所不定だろうが、金が無かろうが、肩書きが無かろうが、夢が叶おうが、挫折しようが、どちらでもおまえ達はお父さんとお母さんの自慢の息子だ」と綴っており、そちらに追記するような形で、現在の心境を語っているのだ。
「慎一郎、毎日お母さんのラインが止まらない」と語りかけるところから始まる一文は、妻に対する愛、息子に対する愛がつらつらと書かれている。上田監督を連れて来ていた映画館と同じ劇場で『カメラを止めるな!』が上映されたことに感動し、感謝を述べた後、「もう少しだけでもいい。お母さんのラインを止めるな」とシャレの効いた言葉でまとめている。
SNSでは、この息子に対する愛に「泣ける」「こんなええ家族おるんか!」と絶賛する声も多い。貞行さんのコメントは、特にネタバレをしているわけでもないので『カメラを止めるな!』に興味があるのならば、一度読んでおくことをおすすめする。
記事内の引用について
上田貞行さんのFacebook
https://www.facebook.com/masteroresama