番組では、“人の悪口を言わない人は信用できる? できない?”とのアンケート調査を行い、7割が“信用できない”と回答したことを発表。これを受けて、マツコは「カマトトぶってる奴が一番怖い」「人間は絶対に悪口を言う生き物」と持論を展開した。
有吉は「今どきはさ、ちょっとでも悪いことしたらすごい叩かれるじゃない? その反面、ネットとかで人の悪口ばっかり言ってるじゃん」と、倫理観に厳しい世間が、ネット上ではひどい書き込みをしている現実に不信感を抱いているようだった。これにマツコは「あれが人間の本性なのよ」としたうえで、「スゴく人間っぽいなって思う」「ああいうところでガス抜き出来てる」と、悪口を書き込むネットユーザーに一定の理解を示した。
これにネット上では、「悪口ってガス抜きの役割は絶対あるよな」「自分の前で悪口言わないってことは自分が嫌われてるってこと」「人の悪口を言わない奴は信用できないとは言わないが、面白くは無い」「口の軽い人の前では他人の悪口は言わないもんだよ すぐバラすから」「確かに悪口言わない人ってちょっと心配になるな」と、悪口を話せるかどうかで人間関係を測るという意見が多く見られた。
その一方で、「悪口ばっかの人といても楽しくないじゃん」「信頼されなかろうが余計な波風をたてるエサは自分から絶対に与えない」「悪口言ってイキってる奴の方が嫌だよ」「悪口と陰口をごっちゃにしてるからや。陰口ばかりの奴は信用ならん」「人の悪口言うと、自分にブーメランのように返ってくるから言いたくない」といった反対意見も見られた。
スタンフォード大学やケンブリッジ大学などが共同で行った研究では、「悪態をつく人のほうが誠実で正直」だという結果が報告されている。今年7月に亡くなった落語家・桂歌丸さんは、著書『恩返し – 不死鳥ひとり語り』(中央公論新社)の中で、「他の連中も日本のどこかで、あたしの悪口を言っていますよ。仲がいいのに悪口ばっかり。これが『笑点』の長続きの秘密かもしれません」と語っている。また、映画監督でお笑いタレントの北野武は、著書『悪口の技術』(新潮社)の中で、「いかにセンスのいい悪口で逆襲できるかを世界が見ている」と綴っており、いずれも“悪口”を肯定している。
“ガス抜き”のためであったり、人との関係性やキャラクターによっては、悪口が“良薬”になることもあるということだろうか。とはいえ、悪口は口論やトラブルにもなりかねない危険な一面もある。落語家やお笑いタレントが悪口を肯定しているのを見ると、語彙力を高めることは確かなようだ。