イギリス・ブリストル出身の19歳の男性が、10年間、ジャンクフードを食べ続け、ビタミン不足になり失明したと海外ニュースサイト『Daily Mail』と『New York Post』が9月3日までに報じた。報道によると、男性は17歳まで10年間、フライドポテトやポテトチップス、ソーセージなどのジャンクフードでほとんどの食事を済ましていたという。男性の肥満度を示すBMI値は正常で、体型に問題はなかった。
男性は14歳の時、過度の疲労を感じて受診し、鉄分とビタミンB12が不足していると医師に指摘された。男性はビタミン注射を処方され、医師から野菜や果物を食べるように指導された。男性は野菜や果物を食べる努力をしたが、結局、医師の言うことを聞かず、結局ジャンクフードだけを食べる生活を続けたという。症状は治まらず、15歳になると視力が低下し始めた。男性は再び受診したが、視力が低下した原因は特定できなかったそうだ。
男性が17歳になると、視力はさらに低下し、失明した。医師が男性の症状を詳しく調べたところ、ビタミン不足が原因だったことが分かったという。男性は大学でITの勉強をしていたが、失明したため大学を中退することになった。
このニュースが世界に広がると、ネット上では「まだ若いのに失明するなんてかわいそう」「ジャンクフードに慣れてしまったのかも。幼い頃から食事の大切さを学ぶべきだった」「ジャンクフードが体に悪いことは明確。食べ続けるべきではないと気づくべきだった」などの声が挙がっていた。
米国立生物工学情報センターのデータベースサイト『NCBI』によると、ビタミンが不足すると視神経が損傷し、網膜から脳へ視覚情報を伝達する能力が失われるという。主にビタミンB群の欠乏が視神経の損傷に大きく影響し、ゆっくりと視力を低下させていくそうだ。ビタミン不足により視力が低下し始めても痛みはない。
また、研究機関や大学からの健康・医学情報を提供するニュースサイト『EurekAlert!』によると、ビタミン不足による視神経の損傷は、早期に発見されれば視力が回復する可能性があるという。しかし放置し続けると最終的には失明し、今後、回復する見込みはほぼない。ビタミン不足による視力の低下は先進国では一般的なものとは言えないが、ジャンクフードなどの食事やヴィーガン食、喫煙やアルコールの過剰摂取によっても起きる可能性があるという。
今回の事例のように、長年にわたりジャンクフードのみを食べ続けている人は少ないだろう。しかし視力低下などの可能性がある限り、偏った食生活ではなく野菜や肉、魚をまんべんなく食べるほうがよさそうだ。
記事内の引用について
Boy, 17, goes blind because of a vitamin deficiency caused by years of eating only French fries, Pringles, white bread and sausage(Daily Mail)より
https://www.dailymail.co.uk/health/article-7419161/Boy-17-goes-blind-vitamin-deficiency-caused-diet-French-fries-Pringles.html
Teen goes blind after eating only junk food for years(New York Post)より
https://nypost.com/2019/09/03/teen-goes-blind-after-eating-only-junk-food-for-years-study/
Nutritional optic neuropathy(NCBI)より
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25345287
Poor diet can lead to blindness(EurekAlert!)より
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-09/uob-pdc083119.php