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蝶野正洋の黒の履歴書 ★東京オリンピックの“酷暑問題”

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提供:週刊実話

 今年の夏は暑かったな。俺は新日本プロレスの真夏の祭典「G1クライマックス」で歴代最多の5回優勝をしてから、プロレス界の“夏男”なんて呼ばれるようになったが、そんな俺でも今年の暑さはキツかった。

 俺はいま「熱中症予防PR大使」を務めさせてもらっていて、各地で熱中症や暑さ対策について話をさせてもらっている。熱中症をゼロにするための基本は「知って、気づいて、アクション」。まずは、自分が熱中症の危険がある環境にいるってことに気づくことから始まるんだよ。20年前だったら、気温30度を超えたらとんでもないって感覚だったけど、今は当たり前に35度とかになるんだから、ちゃんと対策をしないとダメなんだよ。それを考えると、来年開催される東京オリンピックも考えなきゃいけないよな。

 外出するのを控えるぐらいの気温でスポーツなんてしてたら、いくら体を鍛えているアスリートでも危険だよ。もちろん、それを会場で見る人たちも同様だ。

 来年も猛暑になるって予測できるなら、安全を優先して開催時期をずらしてもいいんじゃないか。

 あと、うちのカミさんの出身地のドイツでは、東京オリンピックは「寒い地方の国の選手にとって不公平」って、酷暑な環境で開催されることが大きな問題になってるらしい。

 北国の人は、そもそも体質的に暑い環境での競技には適していない。それに、暑さ対策をしなきゃいけないし、そのための練習も簡単にはできないから、これはフェアじゃないよな。無理して選手生命に関わることになったら死活問題だから、出場を辞退する選手も出てくるかもしれない。

 プロレスも昔は、野外にリングを組んで試合をすることがあった。俺が若い頃に遠征していたオーストリアのウィーンでも野外試合はあった。でも、ヨーロッパは、当時、サマータイムというものがあって、20時くらいからのスタートだったからな。日本でも、サマータイム導入の議論をよくしてたけど、最近はあんまり聞かなくなったよな。

 サマータイムが難しいなら、働く人たちが自分で出勤時間を遅らせるとか、なにかを変えていかないと。デスクワークのサラリーマンなら、冷房の効いた部屋にいられるけど、外仕事の人もいるわけだからね。

 炎天下で立ってなきゃいけない警備員、外回りの多い営業とか、物流とかの運送系、それに建築系の現場に出て汗をかく職種の人たちは大変だと思うよ。

 現場でも対策はしてると思うが、法律で「気温が30度超えたら3時間に1回は必ず休憩を取る」とか決めてもいいと思う。

「働き方改革」とかいってるけど、それは都会の、ビルの中でやるような事務の仕事を基本に考えてるんだろ? だから、外回りは別に考えて、休憩を取るとか、時間を遅らせるとかを義務づけるべきだと思うね。

 それを考えると、来年の東京オリンピックが、こういうことを変えるいいキッカケになるんじゃないか。

 どうしても開催時期をずらせないなら、せめて時間だよ。テレビ中継の関係とか、いろいろあるのかもしれないけど、夕方からスタートして、夜中までやってもいいんじゃないか。ナイト・オリンピックってのも盛り上がるかもしれないよ。

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蝶野正洋
1963年シアトル生まれ。1984年に新日本プロレスに入団。トップレスラーとして活躍し、2010年に退団。現在はリング以外にもテレビ、イベントなど、多方面で活躍。『ガキの使い大晦日スペシャル』では欠かせない存在。

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