−−どういう経緯で芸人さんになったんですか?
「もとは声優になりたかったんですよ。声優半分、芸人半分みたいな感じで。芸人にもずーっとなりたかったんですけど、『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ系)を観て、小学校6年生からダウンタウンさんの英才教育を受けて育ったんで、芸人になるのは怖いなぁというのがあって。そのころから、コントのキャラクターのキャシィ塚本とかMr.BATERとか、ものまねしてました。っという、これも理由なんですけど、実はもうひとつありまして。笑っていただきたいんですけど、ずっといじめられてたんです」
−−「ずっと」というのは?
「小・中・高・専門学校。そのあと、上京するために某大手企業で働いたんですけど、ずっと。いじめられっ子です、早い話が」
−−壮絶だったんですか?
「小学校のときは田んぼに突き落とされたり、用水路の水を飲まされたりする程度ですけど、その後エスカレートして…。これをなんとかせなアカンということで、中学のときに先生のものまねをしたら、めっちゃウケて、殴られなくなったんです。でも、同じネタをやったら、またいじめられるんで、先生だけじゃなく、ウルトラマンとかポケモンとか、モスラの曲をフルコーラスで歌うとか。高校入ったら『池袋ウェストゲートパーク』(TBS系)がはやって、TOKIO・長瀬智也さんのものまねして、レパートリーを増やしていったんです」
−−過去の蓄積で、松本さんという代表作が生まれたんですね。
「ものまねには売れる条件があって、誰もが知ってて、誰もがやってない、カリスマ的な人じゃないとダメだと、僕は思ってるんですね。でも、ホリさんが売れたあと、ものまね界は焼け野原になったんですよ。僕は当時、芸人になるためにお金を貯めようと、社会人になってたんですけど、車を運転してたら『チキンライス』(浜田雅功と槇原敬之)が流れてきて。車中でひとりでMr.BATERのものまねしたら、“あれっ、今のめっちゃ似てなかった?”って(笑)。これを極めたら、ホリ=キムタク(木村拓哉)、コージー冨田=タモリ、原口あきまさ=明石家さんま、JP=松本人志になれるんじゃないかと。オーディションには10年落ち続けたんですけど、あるとき、“すべらない話”の松本さんをやったら受かって、ものまね番組の30秒コーナーに出られた。そっからですね」
−−昨年末の『絶対に笑ってはいけない名探偵24時!』(日本テレビ系)では、SMAP・香取慎吾さんのマネで出演。ついに松本さんと対面しましたが、今年の夢は?
「ズバリいうと、『ものまねグランプリ』(日テレ系)でMVPか、年末の優勝。自分が尊敬してた人と戦って、1位になることですね。引きこもり的な性格なので、あまりこういうことは言わないんですけど、今年は言おうと。同じ畑の人を倒してこそ、認められるみたいなとこ、ありますから。あとは、松本さんと共演して、“すべらない話”のオープニングで僕が座ってて、“どけや! おまえ”って言われるのが夢です」
【プロフィール】'83年7月生まれ、滋賀県出身。2002年デビュー。ファインステージ所属。
(次回は16年2月最終週に更新)