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「下着を脱がせろ」「尻を拭け」、セクハラ要求にCAが涙の告発 航空会社を悩ます“モンスター乗客”

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画像はイメージです

 台湾・エバー航空の女性客室乗務員(CA)が、19日にロサンゼルスから台北に向かう便のトイレで、体重約200キロの白人男性から、パンツの脱ぎ履きと尻拭きを強要させられたことが、21日に明らかになった。

 現地メディアによると、男性は「右手を骨折し、術後のリハビリ中で力が出ない」からとトイレの非常ベルでCAの郭(かく)さんを呼び出し、「トイレするのを手伝ってくれ」とお願いした。郭さんがドアを開けると、男性は下着を膝まで下ろし、性器を出した状態で便座に座り「俺のパンツを脱がせて」と強要した。同僚のCAはブランケットを男性の下半身にかぶせようとしたが拒否された。仕方なく、郭さんは我慢して手袋をつけ、男性の下着を脱がせてあげたという。

 男性は用を足し終わった後、さらに「俺の尻を拭いて」と要求。郭さんが断固拒否すると男性は大声で騒ぎ始め、トイレに座り込んだ。他の乗客に迷惑をかけないようにと、駆け付けたベテラン女性CAリーダー(チーフパーサー)が手袋をつけて尻を拭いてあげたという。その際に男性は「もっと深く、もっと深く…」と卑猥な声を出し、最後に「ちゃんときれいにしたか」と聞き、下着を履く手伝いも郭さんに強要したという。

 郭さんは、「あの客の怒鳴り声と悪臭が頭から離れない」と、記者会見で泣きながらセクハラ行為を告発した。

 台湾のCA労働組合によると、例の男性乗客は嫌がらせの常習犯で、「大柄な体型だからと一人で三つの席を要求」「席に座ったまま用を足し、機内で悪臭があふれた」「排尿が済んだ尿瓶の洗浄を要求した」「わざと飲み物をこぼしてCAに服を拭かせた」など、エバー航空のCAの中では”モンスター乗客”と呼ばれていたという。エバー航空は調査に乗り出しており、男性をブラックリストに入れる可能性にも言及している。

 飛行機内で迷惑な”モンスター乗客”と言えば、2014年12月にCAのナッツの出し方が気に入らず激怒し、搭乗機を引き返させた「ナッツ姫」こと大韓航空の元副社長・趙顕娥氏が有名。2017年12月には台北発のチャイナエアライン機内で、日本人観光客3人が泥酔し、機内でたばこに火をつけたため、出発した空港に引き返すという事件も。2018年10月には台湾実業家の御曹司が航空機内で提供されている全ボトルのワインを注文し、それぞれ一口しか飲まなかったことから、航空会社のブラックリストに入るというトラブルもあった。

 国際航空運送協会(IATA)が公表したデータによると、乗客が暴言を吐いたり、CAの指示に従わなかったりして運航を妨害するケースは、2007年から2016年までの10年間で5万8000件を超えた。「客は神様だ」の意味をはき違えている乗客に対しては、航空会社も何か対策を考えざるを得ないだろう。

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