11月17日午前6時20分頃、同空港の保安検査場で、捜査員が「捜査で急いでいるので通してほしい」として、警察手帳を示して通過。身体検査を受けず、航空券もなく、行方が分からなくなったため、不審に思った検査員が6時50分頃、空港警備派出所に通報。日本航空は「警察から事前の連絡がなく、目的も分からない」として、乗客の安全確保を最優先する必要があると判断。始発の羽田行き(7時5分発)などの乗客らを航空機からいったん降ろすなど、すべての乗客を検査場の外に退避させた。
捜査員は7時前に別のゲートから出て府警本部に戻っていたが、空港のトラブルを伝えるテレビのニュースを見て同派出所に連絡。日本航空は7時45分から搭乗手続きを再開したが、羽田行きの初便が約2時間遅れの9時頃に運航を再開するなど、ダイヤに大きな乱れが出た。
府警や兵庫県警伊丹署によると、捜査員は府警本部所属の40代の男性警部補で、捜査対象者を尾行中だった。
日航や府警は、入場の際の身分確認が不十分だったことに加え、捜査員が立ち去る際に、検査場職員に声を掛けなかったことが原因としている。
このミスで各地の空港で、同日夜までに70便以上が遅れた。乗客にとっては、はなはだ迷惑な話となってしまった。
(蔵元英二)