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高校生による島唄も 国際ペン開会式(1)

 第76回国際ペン東京大会は9月26日(日)に開会式を迎えた。日本での開催は1957年と1984年に続き3度目。テーマは、環境と文学「いま、何を書くか」。フォーラムやセミナー、朗読会は23日から始まっている。関連行事は30日まで各所で行われ、入場無料で一般参加できるものも。

 今年4月に亡くなった井上ひさし氏(日本ペンクラブ前会長)の群読劇『水の手紙』で幕開け。「人間の80%は水。水から産まれた私たちは水そのもの。隅田川の水はテムズ川に繋がる。地球の水はひとつだ」と環境保護の大切さを訴える。

 阿刀田高氏(日本ペンクラブ会長)は「今回のテーマには、現実直視と未来を見通す文学者の力を発揮することで、様々な環境を改善していけたらとの思いが込められている。獄中作家委員会の創立50周年目でもあり、自由に表現できる環境を目指したい」と挨拶。

 ジョン・ラウルストン・サウル氏(国際ペン会長)は「文化の中枢たる言葉を操る作家は、権力者にとって脅威。だから文学は弾圧を受ける。ブロガーやジャーナリストが処罰されるケースも増えている。言葉は政局の道具ではない。自分本位でもチャリティーでもなく言葉を取り戻すために書く。そして表現された言葉は人々のものになる。地球の所有者として声をあげてほしい」と。

 伴野豊氏(外務副大臣)は「日本人である前に地球人。自然の一部として世界と溶け合うべき」と話し、土田健次郎氏(早稲田大学副総長)は「本校の卒業生や中退者には作家が多数いる。同校出身の阿刀田会長の意向により大隈講堂での開会式が実現した」と語った。

 また奄美高校郷土芸能部の高校生らが「島に生きる」と題し、沖縄の島唄を披露。奄美特産の大島紬をまとった女子6名による歌と踊りに三味線、ハッピを着た女子15名の太鼓に男子3名の口笛で、祭りの熱気を再現。海外ゲストらはスタンディング・オベーションで感激を伝えた。(工藤伸一)

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