会見には同連盟の柿澤優二理事長、森本啓司専務理事、寺田昌弘監事が出席。冒頭、森本氏がマイクを持ち、悪質タックルに関する調査結果と日大への処分内容が発表された。
森本氏は、日大の宮川泰介選手が悪質タックルに至った原因は「内田(正人)前監督、井上(奨)前コーチに指示されたため」と認定。内田前監督は「ボールを見ていなかった」などと主張したが、同連盟は映像を確認し「嘘をついている」と切り捨てた。
また、井上前コーチが「潰せというのは思いっきり行けということ」と釈明した件についても同連盟は調査。事前に「相手QBと友達か」と聞いていることから「友達にはできないようなことをしてこい、というニュアンス」(森本氏)として、この主張を退け、2人を除名処分とした。
そのほかにも日大アメフト部の部員が内田前監督に逆らえない状況だったことや、試合当日のレフェリーの動きなど、当時の状況が説明された。
森本氏の説明が終わると、記者による質疑応答に。同じ質問が繰り返されている印象はあったものの、質問を受けた3人はていねいに答え続け、大きな混乱はなく終わるかと思われた。
そんな中、最後にマイクを持ったのが、自称日本テレビの記者。「試合が起きてしまった主催者である皆様(連盟)の責任のとり方を聞きたい」と、主催者の責任について問いただした。
柿澤理事長は「ルール遵守の啓発やフットボールが危険なスポーツであるという誤解を解いていきたい」としたが、同記者は会見を終了させようとする司会者を振り切った。続けざまに、「例えば理事長の方が辞任することはありえないのか」と食い下がった。
柿澤理事長は少々苦笑いを浮かべながらも、辞任する考えがないことを示した。仕事を全うしていくことで責任を取ると説明し、会見は終了した。
この質問をぶつけた同記者に対し「なぜ主催者が責任を取るのか」「誰かを吊し上げなければ気が済まないのか」「真摯に対応した連盟に失礼だ」「今度はお前が謝罪会見をしろ」など、怒りの声が噴出。
今回の日大アメフト部問題については、内田前監督、井上前コーチの記者会見でも、記者が同種の質問を連発し、しびれを切らした日本大学広報部の米倉久邦氏が「同じ質問はしないで」「もう終わり」と激怒する事態に発展している。
その際は米倉氏の対応が不適切だとする意見が多く、質問者へ怒りの声が向けられることは少なかったが、「質問者が同じ質問を繰り返し、時間が延びたのは事実」という声もあった。また、『サンデージャポン』(TBS系)では太田光が取材陣について、「内田監督が悪いという前提で吊し上げている」と批判していた。
今回の会見中もネットでは、記者の見識や能力を疑う声が噴出していた。そのとどめが前出の記者の「主催者責任論」というわけだ。
昨今、重要な記者会見はネットで生中継されることが多く、記者の質問もネットを介して一般人の耳に入る。筋違いな質問や糾弾があれば、今回のように批判されることになる。記者も発言に注意する必要がありそうだ。