新国際ターミナルは24時間稼働で、今後増設される予定の深夜早朝便に備えて、シャワールームや24時間営業のコンビニなども出店している。また、空港屋上展望デッキに訪れたある撮影マニアは「滑走路が井桁状の4本になったので、面白い写真が完全運用されると撮れるにちがいない」と興奮を隠さない。飛行機写真マニアにとってもうれしい出来事のようだ。
ただ、心配な点も存在する。今まで、成田空港の名物といわれる「成田離婚」が羽田でも頻発するのではないかというのだ。バブル全盛期に社会現象化した成田離婚。新婦が慣れない新婚旅行先でマゴマゴしてしまう新郎に愛想を尽かし、帰国したとたん別れを切り出してしまうという現象だが、羽田空港でもそんなシーンに遭遇する可能性ができてしまいそうなのだ。
格安パックの登場で海外旅行自体が一般的になった今でも、海外で新婚気分が冷めてしまうケースは起こりうるだろう。また、発着料金が成田空港より高額なため、当面は羽田を使って出国するカップルの多くは「お金持ち」層が多くなる。バックパッカーみたいな旅行者に比べて、「羽田離婚」する確率も高くなりそうだ。
また、環境省は26日、北海道稚内市で採取されたカモのフンから、強毒性の鳥インフルエンザウイルスが検出されたことを明らかにしたが、新国際ターミナルの開港で、東京がこれらのウイルスの脅威にさらされるのではないかとの懸念もある。
「昨年、新型の豚インフルエンザが流行した経緯がありましたが、成田空港の検閲で海外からのウイルス流入を防ぐことが出来なかった。でも、千葉県成田市で都内とは数十キロの距離があったので、都内でパンデミックを引き起こすことは水際で回避されたとも考えられます。でも、新国際ターミナルはそうはいかない」と話すのは某医療ジャーナリスト。新国際ターミナルの検疫体制はしっかりとしていると言われるが、ウイルスがひとたび流入すれば、都内に広がるのは早いかも知れない。
海外から羽田に観光客が押し寄せてウハウハかと思ったら…いいことばかりとはいかないようだ。