麦角菌は、ライ麦や小麦、大麦など幅広い穀物に寄生する。
菌核は黒い角状(爪状)なので、麦角(ばっかく)と呼ばれている。
ヨーロッパでは、麦角菌による食中毒がたびたび引き起こされてきた。
LSDは脳内物質と構造が似ているため、かつては精神医学への功績が期待されていた。
しかしその期待とは裏腹に、LSDによる精神障害、染色体異常、胎児奇形が発見されることとなる。
摂取するときは、透明なゼラチン片を口の中でゆっくりと溶かす。
すると約60分後以内に倦怠感が起こり、桃源郷へと運ばれる。
視界がモネの描く絵画のようにきらめき、ピンクのゾウや紫のサルが登場することもある。
すべてが輝いて、幸せな時間が永遠に続くと錯覚を起こすが、その幸せは錯覚でしかない。
効果は長く、約3時間を山場として、8時間から12時間もの間持続する。
効果中は、体がねじれた感覚も伴う。
LSDの怖さは、バッドトリップにある。
ベッドで横になっていて、ベッドが自分の体重で揺れただけで、「死ぬ」とパニックになる。
世界中の人間が敵になったような気がする。何の関係もない人間が、自分を狙っていると錯覚する。
「他人に殺されるよりは」と殺人に走る中毒者もいる。
また、すべてに悲観し、自殺する中毒者もいる。
LSDに身体的依存、禁断症状はない。が、フラッシュバックが残ることが多い。
フラッシュバックとは、数秒から数分間の幻覚・幻聴のことで、薬をやめて一年以上経過しても起こることがある。
フラッシュバックを起こした元中毒者は、錯乱状態となり、傷害犯罪を起こすことがある。
LSDは現在、世界中で生産中止となった。
隠語では、「ペーパー」「アシッドペーパー」「アシッド・エル」などと呼ばれていた。
(立花花月 山口敏太郎事務所)
参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou