初戦は、もはや“スーパーエース”との称号もふさわしい存在となっている今永昇太。
昨年4勝11敗、防御率6.80と散々たる成績に終わった今永だったが、今季は一変。開幕投手に指名されると、指にかかった150キロ超えのストレートを軸に強気のピッチングを披露。17日の試合も、6回まで1失点のみと安定感抜群の内容。7回味方のエラーもありパットンの救援を仰いだが、今シーズン5勝目を挙げた。これで防御率(1.37)、奪三振(60)、勝率(.833)と合わせてセ・リーグの投手部門でトップの成績を収めている。8登板で全てクオリティースタートを記録していることも見逃せない数字で、このままの調子でシーズンを終えれば、沢村賞も夢ではない。
2戦目は、ルーキーの上茶谷大河。
援護の少なさや、リードしている場面でリリーフにバトンを渡すもミスなど不運も重なり、未だ未勝利の右腕。この日は3回までに3点の援護をもらうも、4回に村上にスリーランを許し同点に。しかし、直後の5回には自らのプロ入り初ヒットもあり勝ち越しに成功すると、6回途中99球でマウンドを譲った。その後、打線の爆発もあり、7回目の登板で嬉しいプロ初勝利を上げた。
3戦目は、パワフル左腕・濱口遥大。
今シーズンは開幕から好調で、4月10日のタイガース戦で完封勝利を挙げるも、同17日のドラゴンズ戦で打球を右ふくらはぎに当てられ戦線離脱。復帰戦となったこの日は、初回山田哲人にフォアボール、バレンティンにヒットを許すも後続を断つと、味方の大量援護もありスコアボードに0を並べていく。最終回に一死満塁のピンチも気合いで切り抜け、完封勝利。“濱ちゃんスマイル”と女房役伊藤の“光の抱擁”が、神宮のマウンドで輝いた。
この三連戦は全て先発投手に勝ち星が付く理想的な勝利。その3人ともドラフト1位指名と、チームの期待の大きいピッチャーが躍動する展開となった。15日には、左肘故障で出遅れていた、昨年のドラフト1位で新人王の東克樹も今シーズン初勝利を挙げた。打線もやっとホームラン頼りから、タイムリーヒットで得点出来るようになってきた。投打が噛み合ってきたベイスターズ。ハマに吹く風は、明らかに追い風だ。
写真・取材・文 / 萩原孝弘