著者ランディ・パウシュは米カーネギーメロン大学で教鞭をとるコンピューターサイエンス界の世界的権威だ。医師から「ガンにより余命半年足らず」と告知されたにも関わらず、2007年9月18日、同大学で「最後の授業」を行った。その模様はインターネットを通じて世界に配信され、すぐさま600万人がアクセスした。
本書は授業の内容をまとめただけでなく、本でしか読めないメッセージも収められており、「最後の授業」の修了者にも楽しめそうだ。
自身の体験談を語りながら、ひとつひとつ読者に人生で大切なものを説いていくパウシュ。名門大学の教授の授業と聞けば頭が痛くなりそうだが、出てくるのは子供の頃に遊んだディズニー・ワールドやフットボールの話…。そんな説教臭くないところが全米ベストセラーの理由だろうか。サクサクと読める“授業”だった。(税別1500円)