「絶対にざるラーメンは食べますね」
開口一番、このように話してくれたのは、山本由伸。ざるラーメンは、今回話を聞いたうち9割の選手が注文すると答えてくれた一番人気のメニューだ。
ロイヤルコントラクト京セラドームスタジアムサービス店の井上正夫店長は「ざるラーメンは、かなり多くの選手のみなさんに召し上がっていただいてます。具はセルフなんですが、オリックスさん以外の球団や、ケータリング担当の方からレシピを聞かれることもあるんですよ。ありがたいことに『京セラのざるラーメンはおいしい』とみなさん、いろんなところで話されてるんでしょうね」と、ざるラーメンが他球団の選手にも好評だと明かしてくれた。
「ざるラーメンをおいしく食べるためにカレーを挟むこともありますし、エビピラフもセルフであるので食べますね。あとは唐揚げ!今年は先発に戻ったので、(食べる)間隔を開けてますが(笑)」
このように“ざるラーメン愛”が止まらない由伸だが、「つゆがうまい」と語ってくれた近藤大亮、西野真弘、西浦颯大ら、ざるラーメンファンは他にもいる。一方で山崎福也は、「ざるラーメンより僕は丼ですね」という。ちなみに昨年、全選手の中で注文数が1位だったというデータが残されている。2位は澤田圭佑。3位以下はあまり変わらないとのこと。
「私どもは、ビジターでは楽天さんとヤクルトさんにも提供させていただいてるんですが、以前、北川博敏さん(現ヤクルト二軍打撃コーチ)がいらした時に、うどんつゆにうどんではなくラーメンの麺を入れた『北川スペシャル』というのがありまして。楽天の選手の方から『北川スペシャルできますか?』と言われた時は驚きました」
そう笑う井上店長は「選手のみなさんはいろんなトッピングをして楽しまれている。おいしく召し上がっていただけているのはうれしい」と話していた。また昨年からは京セラドームの選手サロンで、夕食も提供するようになり、「20名ぐらいは利用されている」(井上店長)そうで、山崎福也は「ナイターの時は助かってます」と話している。
オリックスの久保充広管理部長は、「選手を管理するというほどガチガチなものではないんですけど、若い選手が多いので(重視するのは)『食に対する意識づけ』ですね。遠征先のホテルでも栄養士と話して、メニューをチェックしています。夕飯の提供は昨年から始めたのですが、これも栄養士の提案。『食べてから寝るより、食べて少し置いてから寝た方が吸収が良く、疲労回復につながる』との理由から取り入れました。ここ(京セラ)で夕飯を早く済ませればその分、就寝する前に練習に時間を割くこともできますからね」と語ると「今はかなり食に対する考え方が変わってきてると思います」と続けた。
「これから夏場になってくる。消化のいいものを提供して、選手の期待に応えたいですね」
井上店長は今後も可能な限り、選手や球団の要望に応えていき、チームを「食」の部分で支えていく意向。今年は体が大きくなった選手も多く、「食に対する意識づけ」は間違いなく浸透していると言ってもいいだろう。選手たちには、ざるラーメンパワーで厳しいペナントレースを乗り切ってもらいたい。
取材・文 / どら増田
写真提供 / ロイヤルコントラクトサービス