ロッテのブランドン・レアードが、開幕からエンジン全開だ。
オープン戦では12試合に出場するも、放った本塁打はわずか1本。お世辞にも本調子とは言えない内容に、当初は「大丈夫か?」と不安を抱くファンも散見された。
しかし、いざフタを開けてみると、開幕戦となった先月29日(対オリックス)から今月2日(対埼玉西武)にかけ4試合連続本塁打(歴代2位タイ)を記録。歴代トップとなる5戦連発こそならなかったが、その後もバットが湿ることはなく、現在(11日終了時点)までにリーグ単独トップの7本塁打をマークした。
昨シーズンまで所属した日本ハムでは4年間で131本の本塁打を記録し、2016年には39本を放ち本塁打王も獲得しているレアード。北の大地からやってきた大砲は、早くもチームに欠かせない戦力となっている。
■日本記録へ挑戦も?
仮に今後も安定した“供給”が続くとなると、見えてくるのがヤクルトのウラディミール・バレンティンが保持する日本記録(60本、2013年)の更新。以下を見ても分かる通り、現在までのペースはレアードの方が上を行っている。
・レアード
3・4月:7本 (11試合/平均約0.64本)
・バレンティン
3・4月:8本 (16試合/平均0.5本)
5月 :6本 (23試合/平均約0.26本)
6月 :11本(17試合/平均0.65本)
7月 :9本 (20試合/平均0.45本)
8月 :18本(26試合/平均約0.69本)
9月 :7本 (23試合/平均約0.30本)
10月 :1本 (5試合 /平均0.2本)
バレンティンは13年シーズン開幕前のWBCで負傷し、初出場は13試合目にずれ込んだ。開幕から全試合出場を続ける、レアードの後塵を拝するのも致し方ないところだろう。
ただ、その後ハイペースで本塁打を量産したことを考えると、レアードが一息つく暇はあまりない。調子がいい今のうちに、どこまで本数を稼げるかが記録を左右することになるだろう。
“アンタッチャブルレコード”とも称される60本の大台に、どこまで迫ることができるのか。チームの成績とともに、こちらも要注目だ。
文 / 柴田雅人