竹安は静岡の伊東商を卒業後、独立リーグの熊本ゴールデンラークスへ入団。2014年からはHonda熊本の強化選手として社会人野球でも登板し、都市対抗野球にも出場している。その後、右肘を痛めトミー・ジョン手術を行うも翌年に復活。2015年秋のドラフト会議では阪神が3位という上位指名。晴れてプロ入りを果たした。阪神では2年目に中継ぎでプロ初登板&初勝利を記録しており、3年目の今年は2試合の出場にとどまったが、「将来性」をテーマに掲げているチームの補強ポイントに24歳の右腕が目に留まったようだ。
オリックスの長村裕之球団本部長は「24歳と年齢も若く、毎年確実に力をつけている選手で、まだまだ伸びしろも見込める。将来的にもすばらしいピッチャーで、戦力に加わってくれるだろうということで獲得するということに至りました」と獲得に至った経緯を説明。さらに、「今年、ウエスタン・リーグで6勝を挙げており、防御率も1点台と、ウエスタンで一番安定したピッチャーだった。もちろん先発の一員として期待をしているが、どんな形であれ、一軍の戦力になってほしいと思っている」と期待を寄せていた。
また、決断したのは「2日ほど前」とのことだが、「監督と電話でも何度か話をして、監督の思うところと、我々フロントが思うところが一致したということ」と西村徳文監督とフロントの考えが一致した上で、獲得に至ったことを明らかにしている。オリックスでは、投手は黒木優太、澤田圭佑、青山大紀が、野手では武田健吾が竹安と同級生にあたり、2017年に参加した台湾のウインターリーグでは、NPBウエスタン選抜のチームメイトとして、小松聖2軍投手コーチ、投手の鈴木優、吉田凌、正捕手の若月健矢、野手では岡崎大輔、根本薫と一緒にプレーしている。
西の他にも金子千尋(現登録名・金子弌大)の退団や、佐藤達也の引退など、投手陣も急速に若返りが進んでいるチームなだけに、竹安も春季キャンプから積極的にアピールをしていけば、移籍1年目からチャンスを掴める可能性は十分。同じ関西圏で、オリックスの練習拠点でもある舞洲は、竹安にとってファームで初登板(実戦デビュー)した思い入れのある場所なだけに、環境面においても、とてもやりやすいのではないだろうか。
「遠慮なくアグレッシブにやってもらいたい」
という西村監督の信念のもと、竹安には最速147キロのストレートと変化球を武器に、移籍1年目から伸び伸びとした投球に期待したい。なお、阪神時代は42番だった背番号や、入団会見の予定は「未定」とのこと。
文・どら増田
写真・どら増田、垪和さえ