「怖くてできない」という男性もいるでしょうし、「ナンパされるの怖い」と思う女性もいらっしゃることでしょう。
そんな中、ネット上で、「ナンパ」と「社会貢献」について考えている記事が話題になっています。
ブログ記事「ナンパは社会に貢献しているか(性とナンパについて渋谷で考えた)」(http://d.hatena.ne.jp/qqille/20101025/1288004741)が話題を呼んでいます。
世の中には先入観だけでモテない人々を否定している人たちも沢山いるのではないでしょうか。むしろ、逞しい肉食系の象徴であるナンパ師に対する否定は羨望の裏返しであり、非モテへ対する否定はコミュニケーション弱者への蔑んだ感情の噴出に思えます。
確かに、結婚や恋愛などのリア充向けのサービスがあふれる中、そういった商品の消費を拒んでいる非モテは社会的に貢献していないとみなされてもおかしくありません。しかし実際のところはどうなのでしょうか? 非モテは社会に貢献していないのでしょうか?
■そもそも社会貢献とは何か?
リンク先の記事には、「ナンパの社会貢献」は大きく分けて二つあるとしています。一つ目は、
「経済的な社会貢献」
これは金銭が動くことによって生じる社会貢献。お金を使えば誰かがにっこり。これが経済的社会貢献ですね。
「非経済的な社会貢献」
これは金銭が動かない所で生じる社会貢献。一般的な社会貢献というと、こういったボランティア的なものをまず想像する人が多いかもしれませんね。
さてこれらを踏まえると、僕は、非モテには「非生産的な社会貢献」というのがあると思っています。
「非生産的な社会貢献」
恋愛活動に参加しないことにより生じる消極的な社会貢献。ニートが働かないと、その分働ける人が増える、という記事が話題になったことがありましたよね。あんな感じです。
■非モテは日本経済に寄与している
まあこれは僕が改めてかくべきことでもありませんが、「オタク市場に関する調査結果2010-矢野経済研究所」(http://www.yano.co.jp/press/press.php/000692)によると、
「恋愛シミュレーションゲーム市場:前年度比83.0%増の86億円
同人誌市場:前年度比4.7%増の640億円
フィギュア市場:前年度比2.9%増の283億円
アイドル市場:前年度比1.9%増の542億円」
と、非モテのアイテムの売上げが好調です。
中でも恋愛シミュレーションゲームは近年新しい市場として花開いただけあって、これからの成長が楽しみです。
また、もちろん非モテの多くは食物を良く消費するのは想像に難くないので、エンゲル係数も一般の人に比べて非常に高いはずです。非モテはカップルのように経済活動に参加していないからと言って、経済的な社会的貢献していないかというと、そうではないといえるでしょう。
■非モテはモテる人に金銭では測ることのできない価値を提供している
モテる人は、なぜモテたいのでしょうか。それはモテると優越感を感じるから、という理由がありそうです。ではなぜ優越感を感じることが出来るのでしょうか? それはそこにモテない人がいるからです。
みんなが同じようにパートナーを持ち、キャッキャウフフしている世界は確かに幸せですが、そこにそれを羨ましく眺める非モテがいることにより、さらに楽しさが倍増するのではないでしょうか。これが、非モテがモテる人達に提供している、「金銭では測ることのできない価値」です。
■非モテが実は「男女間の出会い」に流動性を与えている
さて、最初にでた非モテが提供している「非生産的な社会貢献」は何でしょうか。実はこの部分が、非モテがしている社会貢献で一番大きいものになります。
日本の男女の人口比はほぼ均衡しています。しかし、これが全員美男美女だったらどうなるでしょうか? 意中の異性が誰かとすでにカップルでも、他の人でいいかなー、となってしまい、やがてなあなあな感じでほとんどがカップル化してしまいます。しかしここに、一定数の非モテが混じればどうなるでしょうか。均衡が崩れ、みんなよりよい異性を求めるために競争が始まります。非モテ自身がその中に加われないにもかかわらず、男女間の出会いが流動化し、競争原理により、モテ人達は切磋琢磨し、より高みへと昇っていきます。
■非モテは固定化へ向かう男女間の均衡を自ら席を立つことにより解きほぐす
むりやりまとめてみましょう。
非モテは恋愛活動に参加していないように見えつつ、もっとも重要な役目をしているといえます。自ら恋愛ゲームの席を立つことにより、他の人へチャンスを与えるだけでなく、安定へ向かう男女間の均衡をあえて崩し、競争を起こすことにより、恋愛をより素晴らしく、より高度なものへと発展させていくという貴重な役目なのです。
様々な社会貢献がありますが、人類全体へ向けてこれほど素晴らしい社会貢献を出来るのは非モテだけでは無いでしょうか。(peropero)
【参照】非モテタイムズ
http://himo2.jp/