「キャラクターにベストなアクションを、ベストなプロポーションで!」をコンセプトとした新たな可動フィギュアシリーズ、それがACTION WORKSである。
普通のアクションフィギュアにはシリーズごとに決まった素体があり、全てのキャラクターがその素体をベースにして作られるのだが、ACTION WORKSでは特定の素体を設けず、キャラクターごとに検証を行ったうえで個別に立体化している。そのためプロポーションやデザインに制約がなく、可動面でも、そのキャラクターらしいポーズを無理なく取らせることができるのだ!
そんなACTION WORKSシリーズの第一弾として登場したのは「ギャバン」「シャリバン」「シャイダー」の宇宙刑事3人衆。いずれも劇中で特徴的なポーズを見せてくれたキャラたちだが、ACTION WORKSならどんなポーズでも再現可能。思い出のあのシーンを、机の上でもう一度見てみよう。
(一部公式HPより)
アクションワークスシリーズの第一弾を飾った『宇宙刑事シリーズ』は、『宇宙刑事ギャバン』(1982年・東映)から始まる『シャリバン』(1983年)『シャイダー』(1984年)の三作品である。以降も『巨獣特捜ジャスピオン』(1985年)、『時空戦士スピルバン』(1986年)とシリーズは続き、通称『メタルヒーローシリーズ』と呼ばれている。
(ファンの間では『メタルヒーローシリーズ』を『重甲ビーファイター』(1995年)までとするか『鉄腕探偵ロボタック』(1998年)までとするか議論が分かれている。サウンドトラックや紙面などでは『ロボタック』までが『メタルヒーローシリーズ』として計上されている)
このアクションワークスでは『宇宙刑事シリーズ』をはじめ、『超人機メタルダー』(1987年)や『特警ウインスペクター』(1990年)など作品から数多くの「メタルヒーロー」達が商品化されている。
特に『宇宙刑事ギャバン』は2007年10月下旬に一度リリースされたのだが、その後もTOEI HERO THE LIVEシリーズの第二弾としてサイズやディティールをリニューアルして再度発売している。
だが、このシリーズにも残念な点がある。第一弾のギャバン発売と共に、専用マシンである「サイバリアン」もリリースされたのだが、その後のシリーズ展開においてはあまりビークル系の展開に恵まれなかったのである。
「シャリバン」であれば「モトシャリアン」、「シャイダー」であれば「ブルーホーク」、「メタルダー」であれば「サイドファントム」があるのだが、アクションワークスシリーズからリリースされたビークルアイテムは現状、初期に発売された「サイバリアン」一点にとどまってしまった。
そして、新たに発売されたTOEI HERO THE LIVE版の「ギャバン」はサイズが変わってしまった為、先に発売された「サイバリアン」と絡めて使用することができなくなってしまっているのである。
ビークル系の人気は侮れない。アクションワークスシリーズにて先に挙げた『特警ウインスペクター』が発売された際には、発売当事のフィギュア(※着化指令シリーズ)とサイズがほとんど変わらなかった為、当時の関連製品と合わせて楽しむことが可能であった。その結果、オークションなどの中古市場で、当時のビークルなどの関連商品の人気も再び、ウインスペクター隊長・ファイヤーの専用マシン=ウインスコードが飛ぶように売れ、価格が急騰し、時には5万円を超える価格での取引まで見られた程である。この際に、「ウインスコード」がリニューアル販売されなかったのも、非常に残念な話であり、メーカーとしてもビジネスチャンスを逃しているように見受けられる。
ヒーローと対になって、ビークルアイテムのニーズは確実にある。等身大キャラクターの商品化に際して、「どんなキャラクターの、どんなマシンがユーザーから求められているのか?」メーカーには是非、ヒーロー単体だけでなくマシンにも注目していただきたいところである。
●メガハウス:アクションワークス
http://www.megahobby.jp/products/actionfigure.html#action
(小野寺浩 山口敏太郎事務所)
【参照】山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou