当初は舟形に当社は造営されたが、推古天皇16年に伊都許利命の子孫である鋤手黒彦命が、神命により現在の地へ遷座し、それまでの舟形は奥宮とされた。印旛郡市内にある麻賀多神社十八社の惣社とされ、延喜式神名帳にも記載のある由緒正しい神社である。
千葉県成田市から、国道を走り印旛方面に車を進めると途中に神社の鳥居が右手に見えてくる。鳥居には菊の御紋が飾られ、金色に輝いていた。参拝した日は、残暑の厳しい晴れた日だった。駐車場に車を停めて、鳥居の前に立つ。今から千年以上も前に造営された神社は、ひっそりと鎮座した印象を受ける。駐車場には何台もの車が停まり、若者やカップルの参拝者の姿も拝見された。
規模は大きなものではないが、やはり歴史を感じさせる。この神社から受ける印象は優しさとかいう類のものではなく、気を強く張ったような力を感じさせた。パワースポットとしても申し分ない。この神社は祈願成就に効果があるといわれるが、この気はそうした部分から来ているのかも知れない。
社殿で手を合わせた後に、その奥にある巨大な杉の御神木が見えてくる。幹の回りは8メートル、その高さは40メートルにも及ぶ、関東では最大の杉だといわれている。樹齢1200年の大木である。幹にはしめ縄が飾られ、その周囲を歩けるようにと、幹にそって歩道が設けられていた。杉の御神木にも賽銭箱が前に置かれ、長寿と厄除けに効能があるといわれている。また、社殿の横には小さな祠が幾つも置かれているので、そこにも手を合わせる。祭ってある神の名は全く分からないことから、土着的な神かもしれない。
神社と言うところは、それぞれ異なった個性を持っている。今回の麻賀多神社もかなりのパワースポットだと思われる。是非、参拝されることをお勧めする。
(藤原真)