「モデルスカウトの今」〜前編〜

　近年におけるモデル業界は今や新人俳優・タレントの登竜門への道として、大きく変貌した。
　今や、ドラマ等で主演を演じる若手を挙げてみると、その殆どが様々なモデルコンテストの受賞を経て、俳優・タレントとしての道を切り開いていった者が多く見受けられることだろう。だがコンテストによってデビューを飾っていったタレントの一方、スカウトによってある日突然芸能界への道が開かれたモデルもまた多く存在する。今回はモデル事務所のスカウトマンの生の声を取材してみました。

　−−　街歩く若者のどういった所を注目しながらスカウトされているのでしょうか？

　「スカウトに際して、着目するポイントは勿論ルックスが第一点であることは否定しません。ですが、単に“見てくれがいい”だけの人間は求めていません。それ(ルックス)以外にも表情であったり、仕草、その他にも連れの友人が居る場合等、会話をしている時の雰囲気などを観察します。そういった点を踏まえながら、その子の業界における適正をある程度、予想＆シミュレーションするんです」

　−−　ルックス以外のポイントからどういった点を読み取るのでしょうか？

　「例えば、存在感があるにしても、ある種“あり過ぎる”のは新人としてどうか、と懸念される要素になります。スカウトする我々も、選んだ新人がモデルの仕事に限らず、俳優であったり、歌手であったり様々な分野で活躍する可能性を考えた上でフレッシュな新人を探しています。そして、そうした分野においては共演者やスタッフとのコミュニケーションが非常に重要になってきます。それ故、明らかに我が強いと言うのか、いかにも“どうだ、俺カッコいいだろう？”みたいな雰囲気ムンムンの出で立ちで歩いている子には、我々の場合はですが、殆どと言って良い位声をかけることはないです」

(後編へ続く)