山口敏太郎(以下「山口」)「この時に、師匠の山本竜二さんとの師弟関係ができるんですね」
坂本頼光(以下「坂本」)「そうです。僕は映画俳優の嵐寛寿郎さんが好きなんですが、竜二さんは、アラカン(嵐寛寿郎)さんの甥っ子でした。そんなところから興味を抱きまして」
山口「いやはや、面白い出会いですね」
坂本「竜二さんも僕が経済的に苦しいことを気にかけてくださって、AVの撮影を手伝えということになりました。山本さんが監督と男優を務めていたアロマ企画でカメラマンをやりました…。いい思い出であり、またトラウマですね(笑)」
山口「それが、師弟関係の始まりなんですね。弁士の師匠はいないのですか」
坂本「いないです。まったくの我流です」
山口「まったく我流とは驚きです。現在、弁士は何人かいらっしゃいますよね」
坂本「今世紀になって、増えたんですよね。僕が志望した当時、現役でやっていた方は、たぶん3人ぐらいしかいなかったはずですよ」
山口「ええっ! たった3人なんですか!?」
坂本「しかも、その方たちが1年かけて日本中廻ればちょうどいい程度の需要だったんで、後進が入れるような感じではなかったんです」
山口「では、どうやってプロデビューしたんですか?」
坂本「2000年に、東京キネマ倶楽部という365日無声映画をやる場所ができまして、そのオーディションに合格し、プロデビューしたんです」
山口「この時に何人か弁士が増えたんですね」
坂本「はい。今、あちこちのメディアに出ている山崎バニラさんが同期です」
山口「山崎バニラさんと同期ですか、お二人とも出世なさったんですね」
坂本「いや…僕は全然です。近所の人は未だに僕のことを無職だと思っているし(笑)」
山口「坂本さんといえば、水木しげる先生の熱狂的ファンとして知られてますよね」
坂本「知られてないですよ!(笑)。小、中の頃、弟子になりたくて水木先生の事務所によくお邪魔しました。いつか水木先生原作の作品を活弁でやるのが夢ですね」
山口「あと他に、将来のプランはございますか?」
坂本「以前は、往年の名作を説明してみたかったのですが…。今は、オリジナル作品に声をつけたいという気持ちが強いかな。あと最近、「チャンチキトルネエド」という楽団のメンバーと仲良くなりまして。彼らと一緒のライブってのを、是非やって行きたいです」
山口「オリジナルといえば、今年の新作はありますか?」
坂本「9月28日に『ザザザさん6』を。今回は刺青がテーマでしてね。ひひひ」
山口「これは見逃せませんね。坂本さんへのお仕事の依頼や問い合わせはどうしたらいいのでしょうか」
坂本「僕のブログに連絡先のメールアドレスがあるので、そこにご連絡くださいませ」
(山口敏太郎)
参照
坂本頼光「活動弁士の家」
http://blogs.yahoo.co.jp/qfdsj940
山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou