◇今週のこの1枚◇コヴェントリー・オートマチックス「Coventry Automatics AKA The Specials: Dawning of a New Era」(1994年/Receiver Records)
今回はちょっとマニアックなアイテムを紹介しましょう。ご存知の方も多いスペシャルズに名前を改名する前のバンドの、メジャーデビューを目指してロンドンで録ったデモテープです。
このアルバムは、まだローディーだった、コーラス/パーカッションのネヴィル・ステイプルズが所有していたものを編集したものです。イングランド中部の工業都市コヴェントリーで結成され、自動車工業で盛んな土地で、かつての植民地であったジャマイカから安価な労働力として移民がたくさん住んでいました。そこで、人々が同時に持ち込んだものがskaで、その影響下の元、バンドも変化して行ったみたいです。その当時、オートマチックスと言う同名のバンドがいたため、人気と共にスペシャルA.K.Aを経て、スペシャルズに改名します。
ドラムはジョン・ブラッドバリーに変わる前のものですが、未発表の曲も3曲収録されていますし、自分たちだけで作った当然のデモテープなので、その当時の演奏の雰囲気が存分に窺えます。1stアルバムはエルヴィス・コステロがプロデュースしているので、それと聴き比べてみるのも面白いですね。オートマチックスの方が、ちょっとゆるくて、raggaeっぽい感じでしょうか。あと、スペシャルズと言えば、揃いのモッズスーツのイメージが強いのですが、このジャケットでは、ジーパンを履いているメンバーとかもいていい意味でラフです。
今の時代もなお、短い活動ながら世界中に影響を与えているスペシャルズなので、サウンドが完成する前のルーツを辿ってみるのもたまには面白いと思います。デモテープとはいえ、当然、クオリティーは高いです。
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