会見の前にはサンフランシスコの殿堂カウパレス大会(米国時間7月7日)で、Codyを相手に初防衛戦を行うことが発表された。Codyは9日の試合後に花道に姿を現し、無言で去っていた。ケニーは今年、ROHのリングでCodyに敗れている。「もうCodyと争うのは疲れた」とは言うものの、バレットクラブの内紛問題も含めて「決着を付けるべき」と言われても仕方ない。
そんな状況下でケニーは、9日の試合後に飯伏幸太、ヤングバックスと新たなユニット、ゴールデンELITEをスタートさせると発言した。今後、同ユニットとバレットクラブの活動を並行させるのか聞かれると「状況的には、何も変わっていない。自分はバレットクラブのリーダーだ。そして、この前発表したゴールデンELITEというのは、新たなブランドだと思ってもらいたい」と話した。
飯伏については「飯伏は“THE ELITE”のメンバーであると自分自身思っているが、バレットクラブではない」と強調。ただ、飯伏のことは評価している。「飯伏はこのプロレスの世界を新たな次元に持って行けて、新たな世界観をみせてくれる選手だと思っている。そして、飯伏はヤングバックスとも仲がいい。だから、『このメンバーで何か世界を変えていこう』ということも含めての新たなブランディングが、このゴールデンELITEだ」と新ユニットの趣旨を説明した。
「飯伏はバレットクラブのメンバーではないが、ヤングバックス、ケニー・オメガはバレットクラブに属している。そして、くしくもCodyもバレットクラブに属している。こういった状況を考えると、サンフランシスコ大会が終わった時に、しっかりとすべてが元に戻って、ファインな状態になればいいなと思っている」と説明した。
ケニーはバレットクラブのリーダーとして、チームを立て直すためにもCodyにしっかり勝ちたいところ。飯伏が超党派で名を連ねるゴールデンELITEの活動を通し、世界を変えていきたいという気持ちを持っているようだ。
最後に記者から、新日本が管轄する全てのヘビー級のタイトルが外国人選手に移動したことについて聞かれると、「ここで日本人に一言いっておきたい」と前置きをした上で、「日本人選手というのは、やはり楽な試合をしてるんじゃないかと思う」と口を開いた。
ケニーはその理由を説明する。日本人は「外国人選手のように長い移動もなければ、一回ベルトを獲られたところで、またすぐにチャンスがめぐってくる。そういう闘い方をしている選手と試合をする自分たちは、より強くなくてはならない」と外国人選手には“責務”があるとした。
「3人のカナダ人が今タイトルを持っていて、トップ2のベルトをウィニペグ出身のカナダ人が持っているというのは大変喜ばしい」としながらも、「国内の日本人選手には一つこれを警告だと受け止めてもらいたい」と警鐘を鳴らす。「別に悪い意味で言うつもりはないが、皆さんしっかりと自分自身をアピールして、より強くなるべきです。なぜならば、アナタたちは外国人選手にはまだ力が及びません。みんなで頑張ってほしい」と日本人選手に辛口エールを送った。
ケニーはCodyを倒せばIWGPヘビー級王者として真夏の最強決定戦『G1クライマックス』に参加できる。また、来年の1.4東京ドーム大会での自身2度目のメインイベント出場も現実味を帯びてくる。1.4ドーム大会のメインが史上初の外国人対決となっても不思議ではない。それを阻止する日本人レスラーは誰なのか?まずは9日の試合後、ノーコメントだったオカダの動きに注目したい。
取材・文・写真 / どら増田