漫画家ならば自作のキャラクターを模した墓石やペンネームの入った戒名が置いてあったりする。
数ある有名人のお墓の中でも、ひときわ異彩(?)を放っているのが府中市カトリック墓地にある円谷英二特技監督のお墓である。
円谷英二は「特撮の神様」と呼ばれたカメラマン、特撮監督でゴジラやウルトラマンなど、現代に続く人気シリーズを数多く手がけた「発明家」でもある。
円谷英二は1901年7月7日生まれ。幼いころから飛行機乗りに憧れていた円谷は15歳で日本飛行機学校へ入学。夢への一歩を踏んだ。しかし円谷が入学した翌年、学校に1台しかない飛行機が墜落事故をおこし学校は解散してしまう。夢は1年にして敗れることとなった。その後、神田電機学校(現:東京電機大学)を卒業した円谷は国活巣鴨撮影所に入社。誰しもが怖がる飛行機に乗っての空撮を見事にやりとげ、円谷はカメラマンとしての道を進むことになる。その後、「キングコング」に衝撃を受けた円谷は特撮に興味を持ち始め、数々の戦争映画や怪獣映画を手掛けるようになった。
円谷のお墓は円すい状の石の上に、金色に輝くオブジェが高く伸びているという特徴的な形をしている。パイロットに憧れ、「仮想」を「現想」に変えてきた円谷英二らしい墓である。
墓の周りにはファンが置いたと思われるゴジラやウルトラマンの人形もあった。円谷英二が手掛けた初代ゴジラやミニラはもちろんのこと、平成ゴジラやウルトラマンレオ、エンペラ星人など円谷英二の「孫」とも言えるキャラクター達が多数並んでいた。
ちなみに今年2010年は円谷英二の40周忌にあたる年。数十年たっても永く愛され続けるキャラクターを生んだ功績はあまりにも大きいと思ってしまった。
(昭和ロマン探求家・穂積昭雪(84ゴジの1年後輩 24歳) 山口敏太郎事務所)
【参照】山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou