スタジオジブリが最も元気のあった時代は、1980年代後半から1990年代でした。両監督とも脂が乗り切った時代で、様々な名作を世に送り続けて来た時代だと思います。
特にジブリを不動の地位に押し上げた1988年度作品の、宮崎駿監督『となりのトトロ』は、今では国民的映画と言われています。毎年夏休みになると、必ず民放テレビで放映されて高い視聴率を得ています。
現在はジブリのグッズのみを扱った専門店も登場し、中でもトトロと並んで1989年宮崎駿監督作品の『魔女の宅急便』に登場する黒猫のジジのグッズは、多くのファンを掴んでいます。
一方の高畑勲監督も、1990年に『おもひでぽろぽろ』、1994年には『平成狸合戦ぽんぽこ』を公開するなど精力的に活動をしてきましたが、1999年に『ホーホケキョとなりの山田くん』を公開後は現在に至るまで作品を公開しておらず、半ば監督業から身を引いたような状態となっています。
宮崎駿監督も『崖の上のポニョ』を2008年に公開しましたが、昔のような作品とは一線を画す作品となっており、監督自身が5歳児の目線から作った作品だと言われましたが、年齢層を下げすぎた感があり、昔からのファンには物足りなさが感じられました。
スタジオジブリにいつも絡むのが、次世代を担う後継者の創出でありますが、日本アニメ業界を代表する二大巨頭の前では頭打ち状態になっており、なかなか芽が出ない形が続いているように思われます。
2010年には新人監督である米林宏昌監督の下『借りぐらしのアリエッティ』が公開されて好評を博しましたが、米林監督の評価はまだ未知数だと思われます。
そんなスタジオジブリですが、最近ではゲーム世界にも進出を果たしています。レベルファイブ社から昨年発売されたDS版RPGゲーム「二ノ国」では、スタジオジブリの新たな挑戦が見て取れると思います。このゲームではアニメパートをスタジオジブリが担当しており、音楽は久石譲氏が担当しています。来年にはPS3版も発売される予定となっており、スタジオジブリの新たな挑戦が今後も続くかと思われます。
(藤原真)