全日本といえば、5月29日、兵庫・神戸サンボーホール大会で、悪役ユニットのブードゥー・マーダーズに所属するスーパー・ヘイト選手(本名:平井伸和)が、試合後に急性硬膜下血腫で倒れ開頭手術を受けた。その試合前には、同軍団のリーダー・TARUがヘイト選手に暴行を加えていたことが発覚。TARUを始め、連帯責任として同軍団のメンバーであるKONO、稔、MAZADAが無期限出場停止処分となった。
ところが、事故の翌日から、マスコミ対応を一手に引き受けてきたのは内田雅之取締役。武藤社長はコメントを出すこともなく、公に一度も姿を現していない。現在、武藤社長は古傷である両ヒザへの負担を軽くするため、スポット参戦を続けている。事故が起きた5・29神戸大会には出場せず、事故後初の興行となった6・5島根・浜田大会にも姿を見せることはなかった。
これだけ大きな事件が起きて、1人の選手が重大なケガを負っているにもかかわらず、事故後1週間経っても、いまだコメントすら出さない武藤社長に批判の声が出始めているというのだ。
「こんな事件が起きて、姿を見せないどころか、コメントすら出さず、対応を部下に任せっきりなんて無責任ではないでしょうか。社長としての責任を放棄しているとしか思えません。ファンも武藤社長のコメントを待っているはず」(ベテランライターA氏)
大事故といえば、東日本大震災による福島原発事故の対応に関し、東京電力の清水正孝社長が、直後の会見にこそ出席したものの、その後、「体調不良」を理由に雲隠れ。後にめまい、高血圧で入院したと報じられたが、その間、陣頭指揮を執ったのは副社長。清水社長が現場復帰したのは、震災から約1カ月後であった。体調不良とはいえ、会社、国の一大事に社長としての責任を果たさなかったのは事実。
会社の一大事に姿すら見せない武藤社長。「まるで東電・清水社長のようだ」とやゆされても仕方がない。武藤社長も体調不良なのか? 一日も早く表に出て、社長としての責任を果たすことが望まれるところだ。
(落合一郎)