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男と女の官能事件簿 交際を断った年下男性をボコボコに(1)

 広島市内のスーパーに勤める森谷晴美(25)が薬研堀にある某カラオケルームに来店したのは、2004年7月10日のことだった。その店で、晴美はアルバイト店員をしていた青木良太君(18)と知り合った。

 ところがこの青木君、モデルやアイドルといってもおかしくないほどのルックスで、薬研堀界隈では評判の「イケメン店員」だった。
 そんな青木君に、晴美はたちまち夢中になってしまう。
 以後、晴美は彼の勤めるカラオケ店に足しげく通うようになった。そして、何かにつけて青木君に声をかけたりして、それとなくコンタクトを取っていた。そうして店の常連となった晴美は、ある日ついに彼に交際を申し込む。

 だが、青木君はあっさりと断った。その理由は定かではないが、別に男女の間では珍しいことではない。
 青木君にしても、とくに深い考えなどはなかったのだろう。たとえば、単に晴美が青木君の好みのタイプではなかったとか、店からお客さんとの交際は禁じられていたとか、そんなところではなかろうか。
 しかし、交際を断られたことに、晴美は怒り心頭。まさかフラれるとは思っていなかったのだろうか。ともかく、それまでの思いとは一転して、青木君への怒りと恨みがめらめらと燃え上がっていった。
 どうにも怒りが収まらない晴美は、インターネットの掲示板に書き込みをする。といっても、「一緒にカラオケに行きませんか」といった、単なる〈友達募集〉のようなものに過ぎなかった。晴美としては、この時点では単なるうっぷん晴らしに誰かを誘ってカラオケに行こうと思っただけなのかもしれない。しかし、これが事件のきっかけになってしまう。

 そして、この書き込みに、渡部由紀(30)と佐々木良枝(30)の2人がコンタクトしてきた。
 8月10日の午前9時頃、3人は薬研堀にあるカラオケルームに集合すると、2時間ほどマイクを手に盛り上がった。ここまでは、とくに何事もなかった。
 カラオケで意気投合した2人に、晴美はおもむろに青木君とのことを話し出した。
 「実はこの前、18歳の男の子にフラれちゃったんだ…」
 その晴美の話を聞いているうちに、ほかの2人の表情が見る見る変わっていった。
(つづく)

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