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書評「最新気象百科」

 ドナルド・アーレン著、丸善

 「この世界は、自然に起きる事象が永久に変化し続ける一つの絵である…」と哲学的に始まる本書。毎朝元気をくれるテレビの“お天気お姉さん”発の情報に限らず、異常気象などの天災がメディアで大々的に取り上げられる中、さまざまな自然現象の不思議を解き明かす。

 オゾン層の破壊から黄砂の飛来まで気象と呼べるものは幅広いが、そのほとんどを一冊でカバーしている。しかし、難しい公式が並ぶ教科書ではない。誰にでもわかるようにやさしく書かれており、美しい写真をパラパラと眺めるだけでも飽きないのだ。
 海外では、気象を学ぶ大学生が必ず買う本として権威のある原著を翻訳したもの。百科事典だけあって608ページあるにもかかわらず、オールカラーで紹介しているから貴重な一冊といえる。
 こんな百科事典が書斎に1冊くらい飾られてこそ、カッコイイ大人のオヤジというものですぞ、お父さん。(税込1万5000円)

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