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「七福」(しちふく、居酒屋)

 JR根岸線・桜木町駅から徒歩590歩

 嘉永6年(1853)、神奈川沖に押しかけたペリー提督の乗っていた黒船は、じつは木造船だったといいます。黒塗りなので、勝手に鋼鉄製と思ってしまった。鉄は武力の象徴。
 怯(おび)えれば柳も幽霊に変じる。度重なる開国の要請に困り果てた幕府は、それでも悪智恵を絞って横浜村も神奈川のうちと強弁。東海道から8km離れた所で港湾工事を開始して、誠意を示した。以来、米国には誠意の示しっぱなし、であることは心理学者岸田秀氏の著書に詳しい。万延元年(1860)には、野毛村も町に昇格。以降、横浜一帯は時代の要請を受けて発展の一途をたどることになる。

 めぐり巡って第二次大戦。満州で病を得、地元民からもらった七福という丸薬で一命をとりとめた初代は、丸薬にあやかって「七福」を開店した。柳通りの暗がりの破(や)れ提灯は、ほのかに鰻の匂いを漂わせ、いまに至るまで酔客を誘いつづけております。

 女将さんは、酒の吟味のためには全国の酒蔵を探訪、肴の研究にも余念がありません。名物の鰻や、ふぐ料理に甘んじることなく、鰯料理では鰯ガーリックという珍味の開発にも成功、ほかに野毛出身の俳優西岡徳馬、横綱白鵬(親方が横浜出身)、愛犬フクちゃん、活け花、瓢箪栽培と、きわめて多方面へご興味のあられる方らしいので、まだまだ七福の縁起は発展途上と拝察いたします。大隊も、中隊も、小隊も上陸OKでございます。

予算3000円
神奈川県横浜市中区野毛町1-6

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