舞台は「黄金の銃を持つ男」の1年半後。冷戦真っただ中の南欧から始まる。ボンドも40代になり、さすがに気力も衰え始め、自らの老いを意識する。ローマで出会った美女からのベッドの誘いも断ってしまう。こんなボンドの姿が描かれたことが、あっただろうか。
しかし最後はやってくれるのが、我らがスーパースター。謎の美女スカーレットと共に、先天的な障害で猿の片手を持つ強欲で偏執狂のゴルナー博士と生死を掛けた戦いを繰り広げる。
ダブルオー・シリーズのデビュー作とあって荒削りな部分もあるが、衝撃のラストもうまくまとまっている。(税別1714円)