張本氏は金田正一氏が10月6日に亡くなった件について、
「プロ野球の昭和の巨星がまた一つ落ちましたね。300年経ってもこういうピッチャーはもう出てこないでしょう。力はある、素質はある、自己管理が凄い。まあ、こういう速い球投げるのは世界一でしょう」
と前人未到の400勝を達成した金田氏の投球を大絶賛する。そして、張本氏が東映フライヤーズ時代に対戦した思い出を語り、
「止まって見えるんだから、球が。川上(哲治)さんがボールが止まって見えたとおっしゃったでしょ。私1回だけオールスターゲームで投げられて、止まって見える。
そこからキャッチャーへうわーっと。コースが甘いからバッターは『もらった』と思うんですよ。そこからカスリもしない」
と、金田氏と対戦した時の印象を語った。
関口宏は張本氏に「一番の思い出」を質問。すると、同氏は「喧嘩をしたこと」と笑い、「しょっちゅう喧嘩しました。絶対向かっていく人いませんよ、この人に。いつも周りに、張本のやつだけが俺に向かってくると。それで非常にかわいがってもらいましたけどね」と話す。
関口が「喧嘩の原因はなんなんですか?」と聞くと、「ちょっとしたことですよ。『お前そのシャツは何や』とこう言うからね、それがどうかしたんですかと」と言って笑う。そして真顔に戻り、寂しそうな顔をしながら、「これからお別れに行ってきます」と、話した。
普段は発言が炎上することが多い張本氏だが、この日は台風19号の被害が広がっていることもあり、神妙な面持ちだった張本氏。
さらに、野球界の大先輩であり、ともに日本プロ野球で偉大な記録を打ち立てた金田氏の死にショックを受けていたようで、どこか寂しさが漂っていた。
張本氏にとっては数少ない「自分を叱ってくれる存在」だけに、居なくなってしまったことにこの上ない寂しさを感じたのかもしれない。